アジア旅行記 【2】 2003年8〜9月
実弾、撃ってきました。(プノンペン)
 プノンペンは大した観光スポットの無いところであることはわかっていたので、午前からガンシューティング(実弾射撃)をしに行った。

 プノンペンでは、バイタクが必ずと言っていいほどガンシューティングか、ボンボン(売春)を勧めてくる。みんながみんなそう言うので、それ目的できている外人がそれだけ多いということだろう。

 プノンペン市街から射撃場までバイタク往復2$、という情報は得ていたが、調子良く話し掛けてきたバイタクが1$というので、なんだか警戒してしまった。

 なので、泊まっているホテル(一泊3$)でバイタクを紹介してもらった。プノンペン市街を出て郊外までいくのだから、バイタクの信用度はとても重要だ。

 紹介してもらったバイタクは、人のよさそうな40くらいのオッチャンだったので、なんか安堵した。鋭い目付きで強引にアピールしてくる若いバイタクは、市内交通にはいいが、郊外に行くとなればちょっと気が引ける。


プノンペン市内から郊外を目指す

 バイタクに乗って30分くらいか、藁葺き屋根の粗末な建物が見えてくる。奥に射撃の的がある、着いた。

 着くとすぐにメニューが出される、まるでレストランのメニューのごとく、拳銃ごとの値段が書いてある。バックパッカーの視点から見るととても高く感じるが、日本ではできないし、バンコクでは3倍以上もすることを考えたら払える金額だ。

 自分はまず、手始めに一番安いコルト45という銃を撃つことにした。8発で10$だった。

 さすがに緊張する。もし暴発したら・・・という恐怖も当然ある。しかし、レクチャーしてくれる長身の男の表情はいたって穏やかだったので、そんな大したことをするわけじゃないんだな、という気になってきた。

 一発目、引き金を引く、すごい反動だ。

 「片手ではなく両手で撃て」と言われた意味がわかる。音はズドンというよりパンパンという感じ。肝心の命中率は的が遠くて見えないが、ほとんどあたっていないだろう。

 2、3発撃っているうちに汗が吹き出してくるが、シェムリでの友達が言った「一度撃ったら、もういいって感じになるよ」という感じではなかった。自分はもっと撃ちたいなと思った。


 続けて、というか一番の目的であった手榴弾を投げることにした。これはプノンペンまで来ないとできない

 しかし、20$といわれて出されたものはプラスチック製だった。ここは軍の練習場も兼ねていて、練習で使うものだということだ。


これがプラスチック製の手榴弾

 プラスチック製ということで、かなりガックリきたが、実際に自分でピンをぬいて投げるとなれば、俄かに緊張し汗ばんでくる。

 白人の観光客なども見守る中、自分はピンを抜いた。白い煙があがったので、すぐさま投げた。しかし、プラスチックなので、25mほどしか投げられなかった。

 

 「ヤバい!近い」と思ったが、周りが伏せようともしないので、立ち尽くすと、ボンっと小さな爆発が起きた。

 う〜ん、とてもショボかった、これで20$とはバカ高い。(後日、軍運営じゃないところは8$で本物を投げられるということを聞いていたので、チクショーと思った。あまりに危険なので、池に投げ入れるらしい。)


 しかしながら、日本ではできない「実弾を撃つ」という体験は瞬間的に極度の緊張をもたらすもので、汗がどっと吹き出した。自分は小休止を取ってメニューを眺めた。

 そして、先ほどから奥の別室で響くドデカイ音のする銃に興味をもった。そこの部屋で撃っているのはAK-47カラシニコフということだった。

「オレもやろう」

 カラシニコフは、自分の胸の高さにおかれた銃座において撃つことになっている。インストラクターも先ほどよりも緊張した面持ちでマシンガンの尻を肩に密着させ、銃身に頬を密着させることを教えられた。

 マシンガンだが、1発撃ちに切り替えることもできるので、とりあえず一発撃った。

 全然衝撃が違う。音もデカイし、衝撃もさっきの倍はあるのではないか?頬を銃身につけているので、撃っていて恐いものがある。

 そして意を新たにして連射モードに切り替え、トリガーを引き続けた。

 ズダダダダダダ〜

 もういいっす。これは恐いです。多分、4、5発。それ以上長くトリガーを引き続けることはできなかった。

 最後にeasyと聞いていたマカロフというハンドガンで締めくくることにした。噂通りコルト45に比べ撃ちやすい。スリムな銃身が持ちやすいし、反動もかなり少ない。

 さすがに何発か撃ったので、慣れてきた。やっとここにきて楽しめる段階になり、最初よりだいぶ多く的に当てることができた。


 これらの射撃体験の価格は全てで66$。バンコクではハンドガン30発で1万円近いから、これでも安いと思わねばならない。

 しかし、ポルポト時代に溜りに溜まった銃器が、観光客向けの商売になっていることに複雑な気持ちを抱きつつ、僕はバイタクで射撃場を後にした。


銃に弾を込めるスタッフたち


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