アジア旅行記 【2】 2003年8〜9月
交渉・・・「オレ流」の利点と代償(カントー)
 チャウドックに後ろ髪をひかれつつ、午前10時のバスで、水上マーケットで有名な都市・カントーに向かった。3時間で着くと言われ、5時間は覚悟していたが、結構予定通りの3時間半でカントーに着く。

 バスターミナルに着くなり、ホテルの呼び込みの争奪合戦に巻き込まれる。そのうちの一人が勧めるホテルは偶然にも『地球の歩き方』に載っているホテルだった。一泊4$ならいいかと思い、バイタクに乗った。

 しかし、着くなりシングルルームが5$だと言うので、「This book says 4$」というと、あっさり4$になる。毎度のことながら、いちいちボッタクるなよと一応不快の表情を表に出した。

 ここカントーでの目的は1にも2にも水上マーケットなので、さっそくスタッフにそのことについて質問すると、このホテルでボートをチャーターできると、ひとりの男を紹介された。彼はサムという男で、英語も堪能、日本語もかなりわかっている男だった。

 そして話を一通り聞く。しかし、彼の勧める10時間チャーターのプランだと50$もするので、「そんな高いのいらないし、コースの中にいらないスポットが含まれているので、水上マーケットのみ行ってくれ」と注文を出した。

 そうすると6時間の短縮コースを提案してきたものの、それでもかなり高いと感じたしたので、自分は納得できなかった。

 そうすると彼は胸からラミネートに包まれた、ある記事を取り出した。それは「旅行人」という日本の旅行雑誌の切り抜きで、彼が大きく紹介されていたのだ。

 彼は、自分がいかに信頼できるヤツなのか、これを見せることによって納得させようとしている。こういったことはアジア旅行においてよくあることだし、日本でもこういった営業手法は間々行われる。

 しかし、一度日本のメディアで紹介された人とかホテルというのは、実入りが良くなってしまった後、付け上がってしまい、劣悪なサービスになっているということが結構ある。

 そして自分のことを「サムさん」と、さん付け呼ぶ彼に胡散臭さを感じつつも、ボートをひとりでチャーターすること、言葉通じる彼がいること(彼はセンドー(船頭)という日本語を使ってまでそのことをアピールした)、そして今晩のホタル見学2時間をつけるということで、40$という高い金額に納得した。


 そして夜。

 ホタル見学に出かけると、船頭は彼ではなかったが、「明日は彼なんだろう」と思い、落日とともに船着場を出発した。

 船頭のダウという男は、素朴でとてもいい奴だが、英語がほとんどしゃべれないので、何を言っているかわからなかった。しかし、ホタルはたくさん見られたし、彼が捕まえたホタルを手のひらで見たときは感動した。


浮き草を掻き分けて船は進む・・



ホタルが出るという場所で陽が暮れるのをひたすら待った



ホタルの光をデジカメで撮るのはほとんどムリ・・


 ホタル見学が終わり宿に戻ると、ホテルのオーナーらしき人物とサムが話している。そしてオーナーが自分に話しかけてくる。

 それによると、どうやら明日の船頭はダウさんがやるというのだ。自分は「約束が違う」と当然抗議した。

 しかしオーナーは「No Problem」を繰り返す。オレも「This is a problem」と反論すると、平然と「Why?」などと言う。

 「サムが最初に言ったことと違う」と言っても、「誰がやっても同じだろ?」と言いたげだ。

 ならば「値段を下げろ」と自分が妥協案を提案すると、それはできないと言う。

 自分も当然納得がいかないので、「この話は無しだ。既に払った前金を返せ」と、チケットを破るジェスチャーをすると、やっとオーナーも折れる。

 自分もここまでは言いたくはないのに、ここまでやらないとわかってくれない。こういう面倒なことが旅行中何度もある。自分は気の長い人間ではないので、こういうことを楽しめるという懐の深さはない。


 そして当日。水上マーケットツアーは何の問題もなく、終えることができた。やはり英語がしゃべれる彼のガイドがあるのと無いのとでは大きく内容が違ったことだろう。

(水上マーケットの様子はこちら


 カントーの街を出るとき、彼はバスステーションまで自分を送ってくれたが、予想通りというかチップを要求してきた。自分は彼のことがどうしても好きになれないし、前日の夜も今日もメシもおごったので、「それがチップだ」と答えると、彼は挨拶もせず、逃げるようにバイクで去った。所詮そんな奴なのだ。

 本来、カントーでの水上マーケットは有名なカントーツーリストのツアーに参加するというのが一般的だ。小さいボートに詰め込まれ、決まったコースにしかいけないが、こんな不快な出来事などありえないだろう。

 しかし、自分の行きたいところだけに行き、撮りたい写真を撮るためにボートの方向を細かく指示し、止めたい時に止めてもらう、などということが出来たのは良かった。


 しかし肝心の写真は・・・あんまり納得できるものは撮れなかった。



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