アジア旅行記 【2】 2003年8〜9月
日本からの悲報・・・(ホーチミン)
 カントーでは日本語が表示できるネットショップが見つからず、ホーチミンで久しぶりにwebメールをチェックすることができた。

 そしてそこには、ラックの体調がおかしいという、妹からの気になるメールが入っていた。

 ラックは実家で飼っている黒猫で、8月の誕生日を過ぎて17年目になる。

 ここ何年間も、いくつもの山場を乗り越え、出国前も元気にしていたのに、今度の今度はヤバそうらしく、全然エサにも手をつけないということだった。


 ホーチミンシティに着いてから風邪の症状がでていたオレは、静養するつもりだった。しかしこのニュースを聞いて、じっとしていることができず、ふたつのお寺にまわり、ラックの回復を祈った。


ラックの名前を書いた渦巻き線香を奉納した



天井高く掲げられた


 お寺の中にある、たくさんの仏像や仏画のひとつひとつに線香をあげ、祈った。こんなに一生懸命祈ったことってあるだろうか?

 元気になってくれ!せめてオレが帰ってくるまで生きていてくれよ、ラック!




 しかし・・・



9月13日 午前1時15分。

ラックは息をひきとった。




 オレがそのメールを見たのは、その日のベトナム時間午後1時。デタム通りのネットカフェだった。


 信じられない・・・あのラックが死ぬなんて・・・


 体が硬直し、風がスーっと自分にぶつかってくる・・・・・・



 長年一緒にいた家族の死に接することができなかった・・・・

 家に戻ったら骨になっているなんて・・・

 とても受け入れられない・・・・

 せめて、死に直面したかった。


 生まれた直後から知っている彼の生から死までを全部目の当たりにしたかった・・・・・・・・・・・・・・








 昨日奉納した線香は一ヶ月は消えないとのことだったので、結果的にラックの冥福を祈るものになってしまった。



 失意の中、自分は予定通り、田舎町ホイアンに向かった。

 ホイアンは、自分の心情を表しているかのように雨だった。そして滞在した3日間ずっと降り続いた。

 ここで静かに過ごし、彼のことを考えつつ冥福を祈ろう・・・



若かりし頃の愛猫ラック

死ぬとは、その存在がなくなってしまうこと。

亡くなる=無くなる

涙をこらえるので精一杯だった。



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