アジア旅行記 【2】 2003年8〜9月
一番美しかった頃の自分(ハノイ)
 陶器を安く買いにいくために、昨日から予約しておいたバイタクに揺られてハノイ近郊のバチャン村に向かった。

 数分走った後、排気ガスや土煙が立ち込める道路でオッチャンはバイタクを止めた。

 何すんの?と思ったら、そこはヌックミア屋(さとうきびジュース屋)だった。


街道脇のみすぼらしい建物のヌック・ミア屋台


 出発前、オレが、好物のヌックミア飲みたがっていたのに、開店前で果たせなかったことをオッチャンは覚えてくれていたのだ。


バイタクのオッチャン。ホントいい人でした。2人の子持ち38歳。
(陶器屋にて)


 オッチャンと年齢をあててみろとか(とてもよく出る会話)、家族や彼女の写真を見せ合って盛り上がっていると、ヌック・ミアを運んできた30くらいの女性が写真をとても見たそうにしているので、見せてみると、とてもニコニコして見ている。

 そうすると、この女性は、奥の方に行って何かを取って戻ってきた。

 それは何と自分のブロマイド写真だった。

 歯が欠け、ちょっと汚い身なりの彼女だったので、一瞬目を疑ったが、確かに写っているのは彼女だ。

 それを見て、自分はこんな言葉を思い出した。

「女は一番美しかった頃の自分を心の支えにして生きているものなのよ(メーテル)」
(→結構エグいコトバじゃないか??)


 日本人はいつでもどこでも写真をバチバチ撮るが、彼女などはそうはいかないだろう。だから若い時の写真をキレイに撮ってもらって大切に残している。そんな慣習はかつて日本でもあったと思う、写真館でとったおじいちゃんの若かりし姿が、田舎の家の鴨居にはあるだろう。



 一息ついた後、お金を払う。彼女は英語があまり話せないようなのでオッチャンに聞くと2000ドン(約15円)だという。「安すぎないか?普通5000ドンくらい取るやろう?」と思いつつお金を払うと、なんと彼女は500Dのおつりを持ってきたのだ(この500D札はあまり見かける事はない)。そしてさらに自分が「いいよ、おつりは・・・」と言っても受け取ろうとしない。

 ドルで支払い、ドンでお釣りをもらうと、必ずチョロまかすベトナムにあって、こんなことはそんなにないので、驚いたし、嬉しかった。

 こういう「清涼剤」が積み重なって旅は楽しくなるんじゃないかな。自分はそんなことを考えつつ、バチャン村を目指した。



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