バチャン村から返ってきて、空港に行くまで多少時間があったので、ごはんを食べることにした。これがベトナム最後の食事ということで、ベトナム料理で一番自分が好きだった「ブンチャー」を食べたいと、バチャン村に連れていってくれたバイタクのオッチャンに言ってみた。
そうしたら、周りの人に尋ねてくれたあと、「乗れ」と言われたので、「いくら?」というと、「Free」と言ってくれたので、僕は彼の肩をポンポンと叩いてバイタクにまたがった。
連れて行かれたのはブンチャー専門店のようだ。メニューはブンチャーだけなので、座るなりすぐに冷麺と大量の香草が運ばれてきた。
そして、奥では肉団子を揚げはじめている。注文してから調理するのは基本、これだけだ。
そして、早くも卓上には料理一式が揃った。
これらをツユの入った茶碗に混ぜて食する。ウマい、今まで食べたブンチャーの中でも一番ウマかった。
香草は好き嫌いの分かれるところだが、慣れてくると、無いと物足りなくなってくるし、生のドクダミなども食べられるようになってくる。
ブンチャーの肉団子はハンバーグそっくりな味なので、純粋なベトナムの味という感じはしない。しかし、自分はこの料理が好きだ。
食べている間、客席はどんどん埋まる。ウマいだけあって人気の店のようだ(あとで調べると『歩き方』に載っているダックキムという店だった)。
そして自分のテーブルも相席となり、目の前にオバチャン2人が座った。
小さなテーブルなので、オバチャン達とは至近距離だ。無口でいるのも気まずいので、ここの「ブンチャーはNo.1だよね?」などと自分が話を切り出すと、堰を切ったようにオバチャン達は話しだす。
オバチャンはタッグを組むと強い。調子に乗って、辛い調味料をオレの茶碗に入れようとする。自分が「ノーノー」と言うと、さらに悪びれて大量に入れようとするあり様だ。
こんな感じで打ち解けると、身の上話となる。聞けばこのオバチャン2人は独身らしいのだ。
オバンチャンAは泣くしぐさをするので、「(ダンナと)bye byeしたの?」と聞くと、頷く。どうやらバツイチらしい。
しかし、それに落ち込むことなどなく、今度は(オバチャンBを指差し)「この人と結婚しなさい」と来たもんだ。
ベトナム最後の食事はこんな感じで、楽しく、美味しくとることができた。
ホント、ベトナムって食い物がうまい。
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