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ご注意! スイマセン、長くてしかも下らない年寄りの戯言ばかりでございます。 とりあえずまぼファン立ち入り禁止ってことでヒトツ(汗)。 真面目に取って怒らないでね〜〜〜(弱気)。 毎度おなじみ赤坂ACTシアター。ついに業を煮やして、アンケートに 「二度とこの会場を使わないでほしい」 と大書してしまったのはここだけのヒミツです(<無記名で出した<コラ)。 劇団☆新感線の出世作、『スサノオ〜神の剣の物語』。10年以上も前に青山円形劇場で初演した際に、 「大阪新感線ここにあり!」 と在京演劇ファンにその名を売ったという、劇団思い出の一作なんだそうで。ワタシは、このシリーズの2作目(『スサノオ〜武流転生』)から新感線を観始めたので、初演は未見でございました。いやぁ、それが良かったんだか悪かったんだか・・・いきなりファーストシーンから無意識の内に役者の脳内変換が激しく炸裂してしまい、なんだか二重写しの映画を観ているような不思議な感覚が発生してしまいまして。最後の最後まで頭の中で勝手に古田新太の声がわんわん響いてしまって、エラく疲れた2時間でございましたわよ。ふう。 火の民・オロチ一族が狙うは、タカマガハラに住まう水の民奉じる三種の神器。水の民にまつろう土の民・ヨミ一族も交えての神器争奪戦は、やがて“神の剣”スサノオを甦らせる事となる・・・。 「森の悲鳴が聞こえる〜」 と、ロックでギャグな割にはどこかエコなこのシリーズは、神話世界に題材を取っての、にぎにぎしくもコンパクトな(神話系の割にはあんまり壮大な話じゃない)ファンタジック活劇。ちょろちょろ挟まれるギャグもさくさくと、近年長大傾向にあった新感線には珍しい、2時間15分一本勝負のお手軽さでございまして。文字で読むと入り組んでる人間関係も、立ち過ぎの個々のキャラのおかげで頭の中にすんなり。何というか、実に観やすい漫画調のシバイでございます。特に初心者にはうってつけのとっ付き易さでしたから、オシバイを初めて観るまぼファン斗真ファンにも安心ね、という感じでして。 いやしかし、中島かずきはホントにソツ無くまとめるんだよなぁこのテの話は。そりゃ、薄いといえば非常に薄い内容なんではございますが。はっきりとした起承転結、世界観の堅牢さ、キャラの立ち具合にギャグからシリアスへの移行のスムースさは、いずれもお見事でした。 今回、ホンには殆ど直しが入っていないとの事。だとすると、いきなりこれを観た10年前の関東勢はそりゃもうひっくり返ったでしょうさねぇ(その頃東京では確か、野田秀樹が『明るい冒険』辺りをやってた筈。ちなみに『明るい冒険』といえば、戦争の終結を知らずに暮らしている集落をテーマにした、タイトルとは裏腹の小難しくて暗いくら〜い話でした)。 “初舞台”というとどうしてもぐだぐだ石田姉を想起してしまうもので、特に女優の初舞台には評価が甘くなる傾向があるワタシ。しかし、佐藤仁美は“初”だの何だのというレベルで語るような状況ではございませんでした。いやぁ、こりゃかなりいいぞ佐藤仁美。 そもそも映像の世界ではかなり上手いコで、以前から割にお気に入りだった女優さんなんですが。少し低めで良く通るという訳ではない、しかし何故かしっかりこちらにコトバの届く声質が高田聖子と似ているせいもあって、妙にどんぴしゃなハマり具合でございました。身体も良く動いてたしなぁ。 これでもう少しコメディセンスが身に付けば、新感線芝居の再演モノでは、聖子サンコンバートキャラとしてかなり重宝しそうな感じです。何より、舞台の上でしっかり自分を魅力的に見せてたのが偉かったですわ。 生田斗真もなかなかの健闘ぶり。新感線が誇るダンス&シングペア(村木・山本)と同じチームに入って、見劣りするどころかキレの良い見事なダンスを見せたのは、流石に立派でございました。彼の対面に当たる野村佑香がヒドかったせいもあって、 「あら、意外と使えるじゃんこのジュニアクン」 と瞠目してしまいましたわ。 聞けばまだ高校生の斗真クン。このままだと、ただジャニーズに居るというだけでユルい主演を持ち込まれちゃいそうですが。いやいや、4〜6番手位の位置で他流試合を繰り返していけば、かなり使い勝手の良い役者さんになれる可能性大と見ました。最初出て来た時は、(席が遠かったせいもあって)河野サンボ?と思わず見間違えてしまったんですが。下手にセンターポジションでスポイルされるくらいなら、この辺のキャラを集中的に勉強した方がずっとよさそうな・・・キミ、しばらく新感線に居候してみないか?キミの爽やかなアイドルぶりを活かすような(ただし逆手にだが)キャラには事欠かんぞ、新感線芝居。 新感線、これまでも結構なベテラン女優さんが幾人か客演してるんですが。根岸季衣さん、中でも爆裂なはしゃぎっぷり。特に、前回登場した前田美波里(『野獣朗見参』の鬼女茨木)のテンションの低さを思うと、 「こんなにも大人気無い芝居でこんなにも嬉しそうに飛び跳ねるなんて、なんてステキな女優さんなんでしょうかしら!」 と、ご本人の好感度もグングン上がる訳でして。いかにも楽しそうにギャグをカマしたり、歌って踊って 「大人の塩加減ってヤツを教えてやるわ」 と見得を切ったりと、まぁもう魅力的。よく言われる、 「新感線の芝居って結局、観てる方以上に演ってる方が楽しいのねきっと」 を体現しておられました。根岸さん観てるだけでも楽しかったっす、正直。 劇団内からは、粟根まこと氏と中谷さとみの頑張りが目立った処。 さとみちゃん、下手すると劇団外の新谷真弓に全部持って行かれるんじゃないか、と不安視されていた若手のポジションを、今回でしっかり固めましたな。それにしても、いつの間に逆木サンの対まで張れるようになったんだ中谷さとみ。劇団内ユニットでの頑張りが実を結んだか、偉い偉い。 粟根サンの話は・・・まぁいいや(笑)、勢い込んで書くとついつい長くなっちゃうし。 さて、ここまで避けに避けてきたTOKIO松岡の件ですが。あぁ、できることなら書かずにこのまま稿を終えたい・・・。 テレビドラマ系の評価でもさんざん「華が無い」とクサしてきた松岡ですが、まあもうホントに何というかその・・・。 下手じゃない。声も悪くない。身体も動いてる。でもなぁ・・・。 そもそも、新感線の主役って非常に難しいんですわ。言ってみれば、『宇宙戦艦ヤマト』の古代進がめちゃめちゃ詰まんない男なのと同じ構造ね。うっかりすると見事にデスラー総統に持って行かれちゃう、って感じ。 特に『スサノオ』の主役は、特段話を引っ張る訳でもなく、ただ象徴的な悪主人公として舞台の中央にすっくと立って求心力とならなければならない役どころなだけに、そもそももって華の無い松岡にはあまりにも気の毒な。 物語の感情的推移はタケハヤが視点だし、構造を支えるのは前半がスサナギーアマテラスで後半はクシナダ−カゼヨミだし(これは、それぞれが所属する眷属の構造に対応してる訳ね)。主人公である筈のスサオウは、ただただ悪くて強くて格好よくて、逆に言うとその他の属性でキャラを立てる事が出来ないため、もンの凄く強烈なオーラ一本で勝負しないと役者が勝てないキャラ、なんですわ。 先年再演された『野獣郎見参』も似たような構造(感情的推移はヒロイン美泥の視点、物語支えるのは西門・蛮獄に甚五という、晴明ー道満ー庶民ラインの3点構造)で、主演を演じた堤真一が思いっきりババ引いた訳ですが。堤真一ですら勝ちきれなかった“新感線の主役ポジション”、そりゃ松岡には荷が重いって。 あまつさえ、今回は、感情推移をつかさどるタケハヤを演じた佐藤仁美が存外の出来だったため、松岡の不足が更に目立ってしまって・・・で、頭の中で勝手に古田新太が喋りだす、と(笑泣)。妹であるタケハヤの胸を掴んで、 「いい女っぷりだ・・・ぞくぞくするぜ」 と情欲丸出しで迫るシーンや、一度はタケハヤの揮うスサノオの剣に斃れたスサオウがむっくりと起き上がるラストシーン、 「古田ならッ!いくらぶよぶよでもおっさんでも古田ならッ!ていうか10年前の古田ならなおのことッ!」 と身を捩って嘆いてしまったワタシ。無いものねだりなのは重々判っているんですが、やはりこれは松岡には辛い役だったんじゃないかと思いますわ。RUPから“松岡で”というリクエストが入ってたんだったら、『大江戸』みたいなこざっぱりした新作書いちゃえば良かったのに<気楽に言うなよ。 いやしかし本当の話、正直松岡、芝居は悪く無いし立ち姿もいいし(手足長いのは、『おやすみの前で』の川原亜矢子嬢同様、舞台の上では大きなアドバンテージ)声も良いし、役者として何処が悪い、という部分は全く無いんですね。少なくとも、がっくり肩の力が落ちるような野村祐香ちゃん(ま、たしかに可愛かったけどさ)に比べると、どこが悪いとはいえない出来映えでして。 しかし、(本家でリズム隊をやっているせいなのか)どうしても全体的に着実・堅実で、プラスアルファが出てこないんだよなーまぼ。カッコいいのに!芝居も良いのに!“やんちゃでワル”な雰囲気もあるのに!ああそれなのに、古田新太が濃厚に醸し出す、どうしようもなく惹き付けられずにはおかないような、何処か崩れた“付け入り処”が無さ過ぎるんだよなー・・・。ある意味、整い過ぎてるのかも。 再演ってのがこれまたババ引いてるんだよなぁ・・・もっと別の、軽めで松岡のキャラをきちっと立てられるようなコテコテ系の芝居なら、(素地がイケてるだけに)こんなに隔靴掻痒な気分にならずに済んだだろうに・・・ううう。ホンのためだけでなく、松岡のためにも惜しいなぁ。 実は、いのうえひでのり・中島かずきの2人は、このスサオウを新之助(「おーいお茶」)に演って欲しかったんですわね。で、某演劇雑誌の対談に無理矢理新之助をブッキングして口説きにかかってたんですが(丁度、『阿修羅城の瞳』で染五郎にアホ程盛り上がられてて調子に乗ってた頃ですな)。 噂では、どうもこの後、もの凄くツレなく身も蓋も無い断られ方をしたようなんですわ。で、結局今回のような仕儀になったんですが・・・個人的には、何だか何処か、フラれた輩の大人気無い意地みたいな空気を感じてしまう『スサノオ』だったのでございましたとさ。 それと、これはまぁ演出の問題もあるんでしょうが、シリアスとコメディの切り替えがどうも今一歩なオロチ一族若人衆が辛かったなぁ。アホモードに入れるシフトチェンジの手先が遅いため、本来ギャグな台詞が滑る滑る。この辺、シリアスな説明台詞からいきなり 「えりじゃべーちぉぉぉぉぉぉ」(<「エリザベート」) とワニのぬいぐるみにすがりつくスサナギ父さん(粟根まこと)のモードスリップぶりを、もう少し松岡の芝居にも要求した方が良かったような気がするんですが、いのうえさん。 役者の芝居はともかくとして、効果の使い方は相変わらず豪儀な演出いのうえひでのり氏、いつもながらスタッフにぎりぎりの集中力を要求するタイトなディレクション。しかし、決まった時の気持ちよさはやはり抜群で、おまけにスタッフもきっちりキめてくるのがお見事でございます。PAさんの「たすけて〜(棒読み)」が抜群の間合いだったのは、やっぱりオロ1オロ2がこっそりキュー出してたんでしょうかね。はっはっは。 初日では、ちょっと変わったファンの方が舞台に上がっちゃったらしいんですが。全体的に、いつもの新感線とは違ったムードに包まれた感じがございましたですわ。若い女性が多くて、いやが上にも華やか。あのACTシアターで、 「こんなに小さな観やすい場所でまぼが見れるなんて幸せ〜」 という台詞を聞いた時には真面目に引っくり返りそうになりましたが、そういえば彼らが使う小屋ってば、ドームとかドームとかドームとかですもんねぇ・・・(溜息)。 それにしても。 以前ハイレグの河原総代が、 「ジャニーズを観に劇場に来た子たちをエンゲキに引きずり込むのがオレの役目」 と語っておりましたが、そういった意味ではうってつけの演目であった事は間違いなさそうです。ギャグありダンスあり歌あり泣かせあり。そりゃ楽しいって、このテの芝居は。ああしかし、隆盛はいい事だが、またチケット取るのが難しくなるのか・・・(溜息)。 そうそう、何に驚いたかって。 劇場に入ると、皆が手に手にビニールに包まれた黒いバッグのようなものを持っておりましてですね。 「グッズかな?それにしても揃いも揃って買ってるなぁ・・・っていうか、物販コーナーにあんなグッズあったかな?」 とウロウロしておりましたら。 ロビーの隅にファミクラ専用受付がありまして(“ファミクラ”ってのは、ジャニーズファミリークラブの略称ね)ですね、そこでファミクラ会員様への松岡昌宏よりの記念品を配布してたんですわ!よくよく見るとそのお土産、“松岡昌宏”って熨斗紙までかかってんの!あーびっくりした、そういうモンなの?そういうモンなの?ジャニーズって・・・<お前SMAPファンちゃうんかい。 ・・・ま、去年じゅんさんの泣きに負けて使いもしない轟天携帯ストラップ買っちまった私は何を言えた義理でもないけどさ。てへ。
(ACTシアター 2002.5.26マチネ)
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