そんな訳で、軽井沢。
今回のスケジュールは、木曜の夜に出発して金曜を丸1日楽しみ、土曜日は軽く遊んで早い内に帰路につく・・・というものでした。何せ、“混雑”だの“人混み”だの“渋滞”だのというのが滅法苦手なワタクシ達、スケジュールが許す限りで精一杯の“楽な”日程を組んだ訳です。
一方で、“高価”“出費”も大の苦手のワタクシ達。
ダンナの会社の保養所が軽井沢にある(なんと1泊 3000円。<世間サマのお叱りを恐れてちょっとフォント小さ目(笑))ので、ここはゼヒ!ぜひそれを活用しましょう、と。
しかし、そこはそれ、営利が絡まない“会社の施設”。普通のホテルなら、最近は結構遅くまでチェックインが可能らしいんですが、
かならず10時までにはチェックインすること
というお達しが、利用規約にばっちりしっかり入っておりまして。
仕方が無いので、ダンナとおとんは会社を定時退出(いわゆる“ベルサッサ”というヤツですね。OLでもあるまいしなぁ)。大急ぎで家に帰り、そのまま車に乗って出発!という段取りになった訳です。

 9/9
朝。
「サンドイッチとおにぎりどっちがいい?」
と、出社するダンナの背中に問うワタシ。そう、このセリフ、帰宅後即座に運転席に座らねばならないダンナのために、途中のサービスエリアでちょいとつまめるようなお弁当を作っておいてあげましょうね・・・という優しいワタクシのツマ心の発露な訳でございますが。
ダンナは振り向きもせずに一言告げて、とっととと出社したのでありました。
「 両 方 」
・・・くぬやろー!こっちが下手に出れば図に乗りやがってッ!

と腹を立てたものの、敵(<敵?)は1日仕事をした後で運転手をせねばならない身の上・一方こっちは仕事も無く、出発前の半日をのんびりゆっくり過ごせる立場。ここでウカツに“御希望”を無視したら、後でどれだけグチグチグチグチグチグチ言われるか判らない・・・という訳で、仕方なく買い物に出かけるワタシ。
で、鶏肉だのチーズだのサンドイッチ用パンだのを買い整えるうちに、ふとある疑念がココロの中に沸いてまいりまして。
「・・・ここで、ダンナの分だけのお弁当を作って持参したら、あのおかんは何と言うだろうか・・・?」
凍る背筋、したたる冷や汗。いや、誇張抜きですがな。
結局ワタクシ、荷造りもそこそこに、汗をかきかき弁当作りに血道を挙げるハメに陥ったのでした。旅行する前に台所汚すのイヤだったのに・・・しくしく。

ダンナもおとんも、無事に7時過ぎに帰宅。急いで荷物を積みこみ、いざ出発!と相成ったわけですが。
・・・あんなに怖いドライブは、久し振りでしたわ。えぇ、眠気も吹っ飛び脂汗ほとばしる、命がけのドライブ。

うちのダンナ、若い頃仕事の都合で海外に居たため、左ハンドルに馴染んでいるんですね。で、ここ10年、身の程も弁えずにずーっと左ハンドルの車ばかり使っていたんですが。先日、あまりの貧窮に負けて、ついに車を譲り渡してしまったんですわ。
で。
ま、色々事情はあったんですが(この話は長くなるので割愛)、うちが車を手放すタイミングに合わせて、実家が車を購入したんですな。これが、スポンサー(いやもちろん、実際に乗車するのは殆どがうちのおかんな訳ですが)の意向に添っての右ハンドル車でして。
うちは、
「どうせ『いつでも好きな時に乗っていいのよ』って言われても、そうそう気軽に借りられる訳でもないし、大体がうちからは1銭も金が出ない以上は、何も発言権などありゃせぬわい」
というスタンスで居たんですが。いざ無事に納車され、
「なるべくしっかり試運転して、エンジン回してあげて下さいね♪」
というディーラーさんの愛のこもったセリフを頂いてしまい、
「では折角ですので軽井沢辺りまでドライブなど・・・」
という段取りになる内に、いつのまにか
「運転手はキミだ!」
という濃厚なアトモスフェアがダンナをぐるぐると取り囲み始めまして・・・気付いたら、“ハンドルを握るのはタローくん”という既定事実が出来あがっていたんですね。

そう、もうお分かりでしょう。
ぶつかります
そうは見えないとは思いますが。
2つの青い角形が車、茶色が道路、緑丸が運転席で赤丸が助手席・・・です。
少なくとも、ワタクシはそのツモリで図解いたしましたです。はい。

迫り来るガードレール、怪しげに口を開く側溝、視線を掠める路肩駐車の車のドアミラー。助手席に座るワタシは、ウトウトするヒマも有らばこそ。咽喉が枯れるまで、存分に発声練習を堪能させてイタダイタのでありました。

おまけに、平日夜の上信越自動車道は、対面車線こそ多少の交通量はあるものの、前後は誰もいない一人旅状態。吸いこまれそうな暗闇と、有料道路とも思えないカーブの多さ、そして慣れないシート、さらに深い霧・・・。
正に、スティーブン・キングの世界ですわ。いやもう、本当に怖かったの怖くなかったのって。
で、うちのおかんののたもうた一言。

「ねぇ、やっぱり『あさま』で来た方が楽だったかしら」

何のための旅行だと思ってんだよ・・・とほほほほ。