First Love
放送前に「二重顎姉妹!二重顎姉妹!」と連呼したワタシですが、プライベートでのご苦労が祟ったか(いや、これっていい方向に出たというべきなのか?)、和久井映見嬢だいぶすっきりなさった模様でございます。下半身はまだまだ努力の余地ありですが、上半身および顎の辺りは以前に比べると大分良い感じに(<ワタシが言うことではありますまいが)。
一方で困っちゃうのが、もう凄まじい深田恭子。本来は、若いお嬢さんがガリガリ痩せているのはあまり好きではないワタシですが、さすがにコレはどうかしら・・・と思わず目を伏せるむちむちでございます。今クールだと、『眠れぬ夜を抱いて』古田新太とおっつかっつ(<言い過ぎ)の“こりゃいくら何でもマズいんじゃないの”っぷり。2話で、足を痛めて彼氏に負ぶってもらうというシーンがあったんですが(池内博之君良く頑張ったね。キミに男のプライドを見たよ)、
「ワタシ、重いよ?」
と自らの口ではっきりデブを申告させられるという悲惨さでして。新山千春の安売りといい深田恭子の激太りといい、ホリプロのタレント管理は一体どうなっておるのだ?
夕暮れの教室でくちづけを交わしただけで、何も言わずに目の前から去ってしまった初恋の人(渡部篤郎)。忘れられぬまま5年を経て就職したばかりの夏澄(深田恭子)の前に、その彼・直が姉である朋子(和久井映見)の婚約者として現れる。
直を忘れるべく、高校時代の同級生である木場(池内博之)と無理に交際を始める夏澄だったが、気持ちはどうしても抑えられない。直の方も、夏澄のあの日と変わらぬまっすぐな瞳に心が揺れる。
しかし、コインロッカーベイビーという出自ゆえか精神が不安定な朋子は、どうやら直と夏澄の昔の関係を知っているらしく、2人の揺らぎを手の平で転がしているようにも見える態度を・・・。
という訳で、2話目が終わった段階で、朋子が実はコインロッカーベイビーであるという衝撃の(?)事実が明らかになった訳ですが。あぁ、この設定いかにもワタシがダメな方の野島伸司(“ダメな方”という言い方がどういう意味かは、後述『ゴールデンボウル』ご参照のこと)ですわ。大石さん大石さん、早く目を覚ましてお願い(泣)。
結局、教師時代に生徒に手を出して、カウンセラーとしてはクライエントに手を出して、アンタの職業倫理観の乏しさが全てのガンなんじゃ?と思わせる渡部篤郎の堂に入ったグズグズぶりは実にお見事。しかし、女子高生がそこまでハマる程の男だろうか、藤堂直。
ストーリー上はすっかりスルーされてますが、夏澄ちゃん(フカキョン)4年制の大学出てるんですよねぇ。たとえ女子大だったとしても合コンのいくつか位はあったでしょうし、そういう新たな出会いの中で高校時代の男性教師の面影なんぞはあーっさり消えちゃうのが普通なんじゃないか、と思うんですが・・・うーむ、そこまで忘れがたいなぁ渡部篤郎。ま、ここでツマづいちゃうとドラマそのものを見る意味が完全に失せちゃうわけですが。『整形美人。』同様、主役級王子様の王子様光線不足に、どうしてもヒロインに対するシンパシィが下がってしまう私でございます。嫌いじゃないんだけどねー、渡部篤郎自体は。
深田ムチムチ恭子ちゃん。今回は、真っ直ぐに壊れていく一途な女の子役。昔和久井映見サンがお得意としていた、“一生懸命になるあまり周囲のことが全く見えなくなってしまう”タイプの女性を熱演しております。キャラクターがキャラクターなだけに、たどたどしい台詞回しもジャストフィット。しかし、どうしてもどうしてもどうしてもどうしてもどうしてもそのぷくぷくなお身体が気になって、話に全然集中できません(笑)。
恭子ちゃん演じる夏澄は、結婚式場にお勤め。そこで繰り広げられる悲喜こもごもは、『ウエディングプランナー』よりちょっぴりシビア風味でございます。いきなり佐藤康恵がゲストキャラで出てきたときはおおっと思いましたが、やっぱり
「フカキョン・・・胴回りが佐藤康恵の倍・・・」
という方に目が行っちゃうのが辛い所で・・・これまでの推移を見れば、どうせフカキョンに自己管理が出来ないのは判り切ってるんですから、事務所もきっちりと管理してやればいいのにねぇ・・・。
何とも堪らない和久井映見サン。初回のラストでは、駆けずり回って直を見つけた夏澄を、何故か木陰から息も切らせずニヤリニヤニヤと口角上げる不気味な笑顔で見つめていたんですが。2話では早速、夏澄のハンカチをはさみでじゃくじゃく切り刻むという具体的なサイコっぷりを見せております。『昔の男』富田靖子チャンを髣髴とさせる笑顔の怖さですが、「性根の真っ直ぐな迷惑女」というキャラクターは既に演じ飽きた感のある和久井嬢のダークキャラチャレンジは、個人的にはかなりな好感度。すんなりと可愛らしいお顔立ちから放出される負のエネルギーは実に実に強烈で、今後の期待が高まります。
脚本、『ハンドク!!!』でクドカンを狙ってコケた大石静。今回はどうやら、野島伸司+内舘牧子(そういえば相撲取りと結婚するとかしないとかって話はどうなった)を狙ってみた模様でございます。教師と生徒の禁断愛(『高校教師』)、姉妹同士の愛の相克(『想い出にかわるまで』『週末婚』)等など、ベトベト系の修羅場愛を描いてみせましょうということらしいんですが・・・大石さん、そろそろ自分のオリジナル路線(『Days』等)に戻りましょうよ、ねぇ・・・。
で、ドロドロドラマのシチュエーションをあれこれ継ぎ接ぎした結果、どうやら視聴率的にはかなり苦戦している模様のこのドラマ。そりゃそうだろうなぁ、前述のドラマだけでなく、『魔女の条件』やら何やらかんやら、ふっと思いつくドラマは片手に余るもんなぁ。
ただ、このテのドラマでは蓄積の多いTBSだけあって、映像演出は実に手堅く綺麗にまとめております。宇多田ヒカルの主題歌をバックに幾度も流れる過去の甘い思い出の回想シーン(直と夏澄のキスね)などは、やはり安定した美しさ。そして、朋子の壊れた内的風景を描き出す演出は、不安定に傾いだカメラワークと烏の濡れ羽のようにじっとり滴る闇を絡ませて、美しくも不気味。このクールはフジが不作なだけに、“ドラマらしいドラマ”を観たければやはりTBS、ということになるのかも・・・。
とりあえず、フカキョンが恋に懊悩する(役を演じる)間に苦労を重ねてすっきり痩せるのをお祈りしたいところではございますが。
ちなみにワタシ、こういうドロドロ系には比較的弱いんですな。折角ドラマなんだから、非現実的にドロンチョして欲しいというか何というか・・・。毎週楽しみに、とは行かないまでも、とりあえずこの姉妹の愛憎の根底に何があるのかが知りたいので、こまめにチェックしてしまうかも。やっぱり気になりますわ、朋子の過去に何があったのか、何故朋子は夏澄をあそこまで追い詰めようとするのか、朋子はいつ夏澄と直の関係を知ったのか、そしてそもそも朋子は本当に直を愛しているのか、直は朋子と夏澄のどちらを選ぶのか・・・あぁ、『空から降る一億の星』よりもよっぽどサスペンスフルじゃん。眠れぬ夜を抱いて
あら、54分始まりという変則時間制をやめたのね?テレビ朝日。
幾度コケてもコケても死守し続けられる木曜9時枠。そろそろここも終わりか・・・と思わせるようなドラマがいくつもこの枠を通り過ぎて行った訳ですが。ついつい
「テレ朝ったら、また性懲りも無く・・・」
と呟いてしまいたくなる様な、妙に肩に力が入ったドラマが登場でございます。
書くのは、これまた不死鳥のように幾度コケても蘇る脚本家、野沢尚。『眠れる森』『氷の世界』と来て、まだ野沢尚のサスペンスを使いたがるってのは・・・あ、だからこそテレ朝木9ってことなのか・・・ううむなるほど。
いつもながらこの枠、キャスティングはそこそこ揃えてくるんですよね。財前直見・仲村トオルという主演はまぁそこそことしても、田辺誠一・筧利夫・古田新太・りょう・秋本奈緒美・大杉漣と、どことなく息苦しくも緊密感のある役者が並んでおります。
古田さん腹が、腹が。醜い腹が。どう考えても、ぽちゃぽちゃではなくぶよぶよです。顔もむくむくむちむちして、アップになると画面からほっぺがはみ出しそうでございます。
元自衛隊の、ワイルドで殺気立って謎めいた男・・・うーんとうーんとうーんと。古田って、一捻り二捻りした辺りの表現力には他の追随を許さないモノがあると思うんですが。ああいうダイレクトな「怪しさ」ってのは、意外とアレだなぁ、アレ。
むしろ、普段は妙にニコニコと愛想が良くて人当たりも抜群なのに、どこか狂気や殺意を滲ませる怖〜い男・・・という造型の方が、古田らしさが引き立ったような気がしますが。
何せもう、前クール『木更津キャッツアイ』でもって、古田のテレビで出せる範囲の(=色事関係を除いた)色々な資質が複雑に絡まりあった“捻りの魅力”が、ほぼ万全な形でざっくり出されちゃいましたからね。今更になってストレート過ぎる「謎の男」って描写は、(彼の能力値から行っても)大変つまらなくてガッカリでございます。
しかし古田新太、クレジットいきなりトメ前かい。それは、評価されてるってコトなんかなぁ・・・いや、テレビという媒体では、まだ全然そこまでのモノは見せてないと思うんだけどなぁ・・・。
で、トメクレ(キャストロール一番最後)を飾るのは、大杉漣さん。
久々にお茶目を封印した、不気味極まりない強面の刑事。義足をつけて真実究明に執念を燃やす役どころで、オッサン萌えの視聴者にはヨダレじるじるの(<汚いな)ご登場でございます。素直にカッコいいー!と叫びたい処なんですが、途中で入るネスカフェのCMが興を殺ぐんだよなぁ・・・。
そんな大杉さんの内縁の妻を演じるのが、りょう。一見整然としているのにどこかで不安感をあおる美しいリゾートタウンの家族たちとは対照的に、汚く狭いアパートの中で、大杉さん演じる刑事熱田とラブラブファイヤー絶好調でございます。
「指を切るから拾わなくていい」
と熱田に言われながらも割れた食器のかけらを拾い集め、やっぱり流血しちゃって熱田に指を吸ってもらって思わず微笑んじゃう、という、んもう気恥ずかしくなるようなラブラブぶり。思えば、一番謎めいたルックスのりょうちゃんが一番シンプルな役どころ、ってのはちょっと捻りが利いていて悪くありませんな。それにしても中国人役が似合うなぁりょうちゃん。
筧さん。
いつになったらその聖子ちゃんカットをやめて下さるんでしょうか。
そればかりが気になって、お芝居を拝見するどころではございませんでした(泣)。・・・気に入ってるんだろうなぁ本人、あの髪型。別に新城管理官に戻れって言ってる訳ではないけれど、茶髪長髪ふわふわ外カールってのは、それだけでキャラクターが限定されちゃって勿体無いと思うんですが。
主演を張るのは、相変わらず小顔エステには通ってなさそうな財前直見(決してブサイクじゃないんだから、その顎とエラを何とかしてくださいましよ)と、野沢尚ご寵愛(?)の仲村トオル。
ファーストシーンで流れる過去のニュース(オーストラリアにある日本の銀行の支店が襲撃され、行員の女性が銃殺されてしまう)が本筋に大きく絡んで来るらしいんですが。平たく読むと、殺された行員の兄か恋人が仲村トオルで襲撃犯が田辺誠一・筧利夫、仲村トオルが彼らに復讐を・・・って感じでしょうかね。仲村といえば犯人、犯人と言えば仲村ですからね、最近のイメージで行くと。はっはっは。・・・あ、原作本あるんだからそれ読めばいいのか(<ドラマ観る資格なし)。
見事にバブルの恩恵を受けずに学生時代をスルーしちゃったワタシとしては、“バブルの幽霊”が大きなファクターとなるこのドラマ、今一歩のめり込めないものを感じるんですが。ま、アウトラインをざっくりと。
バブル時代に青春を過ごし、「出来ればあの頃の事は封印してしまいたい」と密かに思っている悠子。彼女は、「バブルの後始末を自分の世代できっちりつけておきたい」という理想を掲げてリゾートタウンを開発した夫の欧太(仲村トオル)について、長野の新興住宅地に引っ越してきた。既に入居していた山路夫婦(筧利夫・秋本奈緒美)や進藤夫婦(田辺誠一・渡辺由紀)とは、世代が近かったせいもあってすぐに仲良くなった悠子だったが、ある夜、進藤家の妻・萌が酒を飲んで暴れている場面に遭遇してしまう。
翌朝、山路君江と共に萌の話を聞きに行った悠子は、
「私の夫は、死んだ女を今でも引き摺っている」
という話を聞かされて暗然とする。その日は萌を慰めて進藤家を辞去した悠子だったが、4日後、進藤家が謎の失踪を遂げた事を知り・・・。
いやしかししかし、アルコール依存症の若妻に対して、
「夕べ何があったのか、話してみて」
などと言うかなぁ近所の奥さん連中も。オマエはセラピストかって。近所づきあいの苦手な私は、そう言った部分での嘘クサさにちょっと萎えたりいたしましたが。
親睦のためのバーベキュー大会で、いきなり
「リゾートタウンに住まう意義」
について熱く語ってしまう不動産ディベロッパー(仲村トオル)だの、もうそこに住んじゃってる癖にいちいち彼につっかかるライフプランナー(田辺誠一)だの、台詞がいちいち小説っぽいのも気になります。80年代、バブルという時代の闇がこのミステリーのキーワードになっているようなんですが。脚本家自身が語りたいと思っている“思想”が多過ぎるらしく、それを無理やり登場人物に語らせているせいで台詞が悉く非現実的になってしまっているんですね。
きっと、小説で読めばそこそこ面白いんでしょうが。どうせドラマにする(しかも、作家本人が脚色する)のであれば、“語りたい”部分をもう少し抑えて、きちっとドラマ的なアプローチをすべきだったんじゃないかいな、などと思ったりして。
食べかけのご飯を食卓に残して消えた家族、というのは、昔実際にあった失踪事件を想起させますが。
かじりかけのハンバーグ、スイッチが入ったままの炊飯器、シンクに転がった長ネギ。そういった映像としてのインパクトを巧くストーリーに乗せることが出来れば、
「来週も見てみよう」
という気になりそうな予感がします。でもなぁ、初回の今夜のような、あまりにも小説的な脚本がずっと続くと、やっぱし本読んだほうが早いじゃんってコトになるからなぁ・・・。
まあ、古田の腹がヘコむことと筧さんの髪のカールが無くなることを祈りつつ、とりあえず来週だけは見てみるつもりでございます。耐えられなくなって図書館に奔る、に1票入れとくけど。,ビッグマネー! 〜浮世の沙汰は株次第〜
何で今更株のドラマなんでしょうかしら、と思いつつも、キャストの面白さと恋愛色の薄さについつい期待度が高まってしまう私。株の扱いについてはかなりの漫画的デフォルメがかかっていましたが、手際の良いストーリー運びという点ではまずまずの初回でございました。何せ、若い男が株に翻弄されて、400万円の儲けですっかりオノレを見失ってしまうというシーンが秀逸で。そこに父親の死を被せる辺りはあざといと言えばあざといんですが・・・。
ストーリー。
就職出来ずにスーツを捨てた白戸則道24歳(長瀬智也)。仕送りとバイトとパチンコで生計を立ててはいるが、“己の依って立つ仕事”を見つけられないままに日々を暮らしている。
そんな則道が、ある日突然妙な老人に見込まれて、何故か無理やり仕事の手伝いをさせられることになってしまった。初仕事は、2億円という大金(現ナマ!)を銀行からヤクザの親分に届けるというチンミョウな話。これを見事にクリアした則道は、その老人小塚(植木等)に、
「金を預けるから株を動かしてみろ」
と次なる試練を与えられる。思いつきで株を買った則道は、証券会社の担当者からこまめに入る連絡を受け取るたびにその上がり下がりに一喜一憂するが、その株が暴落している最中に、実家の父が倒れたとの連絡が入った。
経営する工場の資金繰りに疲れて倒れた父親。則道が買った株は奇跡的に暴騰し、父を苦しめた借金と同じ額を、たった2日で手に入れることに。しかし、
「男は仕事だ」
と則道を叱咤した父は、則道が400万円の儲けに舞い上がっている最中に、急変して亡くなったのであった。
「俺、就職して額に汗して真面目に働きます。間違ってるよこんなの」
と叫ぶ則道に、小塚はこう告げる。
「カネは弱いものを飲み込んでいく、それが現実だ。お前は呑み込まれたいのか?株を動かしている最中、楽しくはなかったか?」
結局、悩みつつも“伝説のマネートレーダー”小塚の弟子になることになった則道。そんな則道に、小塚はいきなり、
「(世界大3位の規模を誇る)まつば銀行を、潰そうと思ってる」
と・・・。
主演、長瀬智也。原作者石田衣良とは、『IWGP』でもナイスコンビネーションでございました。石田氏、相当長瀬が御気に召したようで。
誂えの勝負服の割にはスーツがピチピチな長瀬智也ですが、キャラクターは相変わらずでございます。やんちゃで運が強そうで、茫洋さの中にひとかけの野心を感じさせる青年。背が高くてスーツが映えるので、主演としての華は充分でございます。
そんな長瀬を引っ張る、伝説の相場師役に植木等。笑顔が笑顔になってない胡散臭さと、年齢が年齢なのに全然枯れてない脂っこさが、何ともいい感じでございます。うーん、いかりや長介とコンバート可能なキャラクターって気もしますが、これはこれでアリでしょうかね。
そして、やっぱりタマらないのが、小日向文世サンと松重豊サンの、ヤの付く職業コンビでございます。一見人の良さそうなおぢさん(則道ははじめ、マンションの管理人と勘違いする)なのに、実は結構エゲつない事も平気でやっちゃう親分・辰美(小日向サン)と、辰美の右腕でいかにもそのスジのお方な蒔田(松重サン)。
いかにも怖いのに、そのキモチワルイまでの怖さがどことなくコミカルに映る松重さん。いかにも人が良さそうなのに、実は目が全然笑っておらず、瞬時瞬時に妙な凄みを感じさせる小日向サン。
この二人が出てくると、画面がぐっと締まる・・・ような気がするのは、単にファンの欲目なんでしょうか。しかし、初回のラストで小塚が、
「まつば銀行を、潰そうと思ってる」
と爆弾発言カマした時のこの二人のカットバックは、ファンなら垂涎モノ。すいません、ビデオに録画してあったのをいい事に、このシーンだけ5回ほど観てしまったバカは私です。ははは・・・。
筋立てとしては、この小塚の爆弾発言をスタートとして、白戸:小塚:辰美とまつば銀行が対立していく、ということなんですが。こうなると、どうもまつば側のキャストが弱いんだよなぁ・・・。
まつば銀行きってのエリートディーラーである山崎に、原田泰造。その部下に、長谷川京子と金子さやか(タイゾーとは『水曜日の情事』つながりね)。
有能だがそれを鼻にかけるタイプではない、というキャラクターの山崎に、原田泰造は少々弱すぎる感がございます。単なるお人よしのフツーの会社員、というキャラならともかく、“わざわざ香港から呼び戻されて銀行の存亡を託される程の男”にはどうしても見えませんわなぁ。弾け系なら本木雅弘、誠実系で行けば上川隆也辺りとコンバートしていただければ、もうちょっと素直に乗れたんですが。残念。
本来ならば、コンゲーム系の緻密な脚本を期待したい処なんですが。どうやら、初回を見る限り、制作サイドではそういう類のドラマにしたい訳ではなさそうでございます。大仰なカメラワークに大仰なBGM、どうやら男たちの群像お仕事ドラマ(ちょっとユル目)、というのが基本スタンスのようで。
どうも、このテのドラマを見る度に、
「どうせあまり細かいコトやっても視聴者は付いて来られないだろうし」
という制作側の見下した視線を感じてしまうのは私だけなんでしょうか。何の説明も無くバリバリ専門用語を頻出させた『救命病棟24時』という例もあるのに、どうして“視聴者の低レベルに媚びた”ユルユルのドラマを作っちゃうかなぁ、と隔靴掻痒の感アリ、でございますわ。せめて『ナニワ金融道』レベルのマネーゲームを見せてくれたら、原田泰造の弱さにだって目を瞑ってもいいんですけどね・・・。それと、タイトルがいかんなタイトルが。何故原作どおりの『波のうえの魔術師』ではマズかったんでしょうね?相場チャートの曲線を波に見立てた、実に見事なタイトルですのに・・・『ビッグマネー! 〜浮世の沙汰は株次第〜』・・・あぁ、安っぽいったら。
しかしまぁ、証券会社社員の相島サンといい意外と民放ドラマでも可愛らしかった岡本綾ちゃんといい脇がまずまずであることと、しつこいようですが恋愛要素が薄いというポイントが、個人的に私のツボをヒットしております。このクール、やたらと惚れたはれたの話が多いもんで、かなり激しく食傷気味なんですわ。
ヤの字コンビのえげつなさも興味深い処ですし、脚本がグダグダの絵空事に堕するまではちょっと見続けようかなぁ、という感じでございます。・・・とはいえ、このまま行くと、「絵空事」の危険性は結構高そうにも思うんですけどね。お願い頑張って、林宏司サン(脚本)。しあわせのシッポ
もう、そもそも水野美紀に飽き飽きしつつある今日この頃のワタシ。決して嫌いな訳ではなく、いや、むしろかなり好きな部類に入る女優さんなんですが。これだけ毎クール毎クール登場されちゃうとねぇ・・・なまじ体力があって連投がきくだけに、事務所も使い減りを考えずにどんどん出しちゃうんでしょうが。これで6月までドラマの主演を張った後は、7月一杯のお稽古の後に超ウルトラ体力勝負で有名な劇団・新感線の舞台が待っているという・・・つくづくタフだなぁ、水野美紀。そろそろ休め。
ストーリー。
女子高の教師美桜(水野美紀)は、27歳一人暮らし。幼馴染の陸(坂口憲二)に密かに惹かれているが、その陸は、美桜が紹介した笙子(原沙知絵)に“メロメロ”。美桜を女性として見ていない陸に、「お前の家、笙子のアパートに近くて便利なんだ。一緒に住もうか」とまで言われる始末。
一方。
20年前に妻子を捨てて出奔した八朗(長塚京三)は、娘に会いたい一心で彼女のマンションまでやって来るが、インターホンを鳴らそうと伸ばす指がどうしてもボタンを押せず、ひたすら逡巡を繰り返していた。遠い親戚の喜好(佐野史郎)に頼み込んで、何とか娘である美桜に会おうとする八朗。本当は美桜と暮らしたいのだが・・・。
で、初回は、陸と笙子のラブラブっぷりに当てられた美桜がついつい人恋しくなってしまい、うっかり八朗に「いいですよ、一緒に暮らしても」と言ってしまう処まで。
っていうか、ホントにドラマの主人公ってば、“うっかり”が多すぎるわよね。『春ランマン』のともさかだってうっかり押尾と暮らし始めちゃうしさ。
このドラマなんて、いきなり次回予告で
「出て行ってください」
って台詞が出てきちゃうんだから参っちゃいます。そんなに簡単に追い出そうとするなら、最初から一緒に暮らすなんて言わなきゃいいのにねぇ、全くもう・・・(<それだとドラマになりませんってば)。
主演、連投連投また連投の水野美紀。多少コメディタッチのこのドラマですが、さすがにフジでのコメディ演技とはアプローチを大きく変えております。顔面表現無し、頓狂声無し、ぶっ飛び芝居無し。何せ、テーマが親子愛(しかも死が最後に待っているらしい)というしんねりした物語なだけに、水野さんもしんねりしんねりと自分に枷を嵌めつつ頑張っておられるご様子でございます。連ドラでは『女子アナ。』『恋がしたい×3』(これはTBSだが)『初体験』とはっちゃけた役どころが続いた彼女ですので、ついつい「息苦しそうだなぁ」等と思ってしまうのはこちらのうがち過ぎというヤツなんでしょうか。
しかしまぁ、さすがにここまで主演が度重なると、それなりの風格ってやつは出てくるもんですなぁ水野美紀。コメディのようで人情系のようで恋愛モノのようでその何れでもないというユル目のドラマを、主演としてがっちり底支えしているその体力はたいしたモノでございます(<結局体力の問題かい)。
対面に来るのが、連ドラは久しぶりじゃない?の長塚京三サン。
かつて捨てた筈の娘に縋る父親の寂しさと切なさと微妙な狡さを、軽妙な芝居の中で存分に見せてくれております。トップクレジットはもちろん水野嬢ですが、長塚さんの演技が無かったら、このドラマ絶対に成立しなませんわね。懸命なのにどこかずれている中年男性というキャラクターは既に自家薬籠中の京三サンですが。ここしばらくはコメディ寄りの役どころばかり(『ナースのお仕事』シリーズ、『お前の諭吉が泣いている』等)でしたので、久々に見る“滲む切なさ”が非常に良い感じでございます。
ただ、“元商社マンで家庭より仕事を選んだ男”という基本設定ですので、この先あまりはっちゃけたボケっぷりを発揮されてしまうと引いてしまうかも。この辺の押し引きは、脚本の水橋文美江の手腕に期待するしか無いんですが・・・。
業師佐野史郎。今回は、亡羊とほんわりと、とにかくとぼけたオジサン役でございます。キュートなあめくみちこさんの尻に敷かれつつ、美桜(水野美紀)と八朗(長塚京三)との仲を気遣う遠縁の親戚役。八朗サンとのアホみたいな掛け合いも堂に入っており、怪しげな風情はかけらも無いノンキなオッサンを好演。いやもう、巧いなぁ・・・と溜息つくしかございません。妙な可愛げが何ともたまらぬ風情でございます
で。
キャスト的に、他に見所が全く無いのが辛い処。
つまり、水野美紀と長塚京三、そして役者本人の力技で「代えがたい」キャラクターを作ってしまった佐野史郎以外は、誰がどう出てきてもいくらでも代替利いちゃうようなつまらない造型なんですね。
美桜が思いを寄せる陸だって、その陸がめた惚れしている笙子だって、あくまでも“美桜の切なさ”を引き立たせるための配置。それぞれに生き生きとした存在感が与えられていないので、坂口クン(そういえば裏から裏への転戦ですな。前クールでは真裏の『恋ノチカラ』に出演)も原沙知絵嬢も、非常に薄っぺらい雰囲気になっております。
それぞれの背景が全く無視されて、あくまでも主演中心の視点になってしまっているせいで、却って、
「何故美桜はそこまで陸が好きなのか、何故陸はそこまで笙子が好きなのか、何故美桜は陸と笙子の仲を我慢しつつ応援までしちゃってるのか」
がさっぱり判らず、結果的に感情移入が出来なくて、全然切なくない・・・んですわ。
特にラブストーリーの場合は、恋の相手や恋敵の描写に厚みがあればあるほど切なさも増すだけに、陸と笙子の存在の薄さが、
「それって結局、“親子愛”を描きたいがための単なるお道具なんでしょう?」
という風に見えてしまって、かなり辛いものがございます。
坂口・原両氏は、今回ちょっと損なくじを引いた感じね。
そうそう、小泉孝太郎。
ほんのひと月前までは姉と弟だったのにねぇ。美桜(水野美紀)の後輩で、勘違いの挙句に美桜に好意を抱くことになる新任教師役。ま、役者ってのはそんなモンでしょうけども。勘違いばかりを繰り返すコメディリリーフ的な役どころなんですが、そのせいもあって、ノリがどことなしお笑い系。せっせとボケまくるその姿を見ていると、後ろから爆笑問題の田中の声で
「違うだろッ!」
と突込みがかかりそうな気がしてしまいます。あぁ偉大なるはCMの力。
観るか観ないかで行ったら、まず観ないでしょう。
というのも、小日向・松重を揃えた上に恋愛色の希薄な『ビッグマネー』(どうして『波の上の魔術師』じゃダメだったんだよー!?)が裏に控えているから。実は今回、こちらの『しあわせのシッポ』を先に見て『ビッグマネー』はビデオ送りにしたのも、
「『BM』なら間違いなく楽しみに再生するが、うっかり『シッポ』を録画したらそのまま観ないで沈めてしまうかも・・・」
という不安があったからでございます。
大体なぁ、正直ここだけの話、『しあわせのシッポ』ってタイトルもどうかと思うよどうかと。『シッポ』よ、『シッポ』。また美桜が、この“しあわせのシッポ”というフレーズについて、
「死んだ母が言っていた・・・」
なーんてしんねりとナレーションしちゃうんですから参ったもんです。ココロに鬼を数匹ほど飼っているワタシは、しんねりナレーション付きの人情モノが大の苦手でして。
あ、『マリア』(浅野温子・後藤真希)が好きだった向きにはお勧めかも知れないな。うん、そんな感じだ。夢のカリフォルニア
まずはストーリー。
奔放でだらしなくてダメダメなのに妙に魅力的な兄(宮藤官九郎)と何かと比べられ、親にまで「アンタは本当に詰まらない男ね」と言われてしまうほどの、オール3の男・山崎終(堂本剛)。
学生時代クラスメートにブスだブスだと苛められていた大場琴美(柴咲コウ)は、すっかり垢抜けて美しくなったが、心中はいまだに過去を引きずるマイナス思考の持ち主。
大学受験失敗を機に挫折、21歳にして離婚まで経験。地域のアイドルとして世間にちやほやされていた頃を忘れられずに、鬱屈した毎日を送る麻生恵子(国仲涼子)。
どこか冴えない3人の元同級生は、ふとした郷愁から、中学時代を暮らした栃木でのクラス会に出席することに。
ちょっとした偶然で、クラス会の幹事をしていた孝平(安居剣一郎)を含めた4人は、会場に取り残される。彼らは2次会へは行かずに母校に忍び込み、かつて学んだ教室で互いの境遇を語り合うのだった。
「どうしてこんなに喋ってるんだろうアタシ、クラス会だからかなぁ」
鬱屈した想いを吐き出す恵子と琴美。
孝平の誘うままに屋上に出た一同だが、
「この先いい事なんて何もない。巻き込んで、ごめんな」
と、3人の目の前で孝平が飛び降り自殺を・・・。
いきなり衝撃のラストでございます。初回でこんなに“イノチ”を簡単に扱うというのは、あまりにあざと過ぎると言えばあざと過ぎるんですが。
はっきり言って脚本岡田惠和、学習してるというか戦略きっちり立ててるというか。前クール、死ぬほど面白かったがあまりにも実験的過ぎた『木更津キャッツアイ』を保守地盤ガッチガチのこの枠でコケさせてしまった教訓を踏まえ、“正統派人生暗夜行路系”の深刻ドラマをここに当てて参りました。深津絵里・椎名桔平の好演も記憶に新しい『彼女たちの時代』を思い起こさせる、いわゆる「人生を考えましょうよ」的問題提起型ドラマ。
「ドラマの登場人物と一緒に、私も成長していこう」
といちいち深刻に捉えるタイプの方や
「私にもああいう時代があった筈、そして今私は一体どう生きているのだろう?」
と真面目にオノレを振り返ってしまうタイプの方には大変ウケがいいパターンのドラマでございますな。
「青春の葛藤に真面目に取り組んでいる」
って、妙にまっすぐ正面から文部省的に評価されちゃうようなドラマ、ってヤツですか。
トーンの暗さ地味さが、金曜日のこの時間帯にテレビを観ている(しかもニュースにはチャンネルを合わせない)視聴層にぴったりマッチしている感はございます。しかも、“いかにもTBS”という画作りが、また綺麗にハマってるしなぁ。『ふぞろいの林檎たち』を思わせる、どこかやるせない青春世界でございます。
それにしても、どうしてそんなにブサイクになっちゃったのかなぁ堂本剛。母・余貴美子サマ(いつもながら、何とまぁお美しく可愛らしいことよ!)に、父・岸辺一徳そっくりだそっくりだと連呼されて、視聴者がついつい納得してしまうアイドルってのは一体どうなんでしょう。岸辺一徳似よ?岸辺一徳似。顔面は膨張してるしハラはぼっちょりしてるし、ジャケットぴちぴちだし・・・。
親にまで「ツマンナイ男」と酷評され、折角クラス会に出たのに、誰も覚えててくれていないという哀しい青年役。クラス会で、出会うメンバー出会うメンバーに「誰?」「誰?」と言われるシーンが、まぁもうリアルでリアルで。何というか、冴えないことこの上なし、といった感じでございます。いいのかな、こんなに冴えないアイドルって。
しかしまぁ、“冴えない男のコ”をここまできっちり、しかも主演として演じられるってのは、やはり大したもんでございますね。“冴えない”というキャラで主役としてドラマを支えるのは結構難しいんですが、その辺はさすがに堂本剛、ダテのキャリアではございません。
柴咲コウちゃん、
「笑顔に華が無い」
と言われる根暗の美人モデル役。あんだけキレイなのに、本当にネガティブな元苛められっ子っぽく見えるのは実にさすがでございます。いくら太ってて眼鏡かけてて垢抜けてなかったとしても、あの目鼻立ちはそうそう変わらないだろう・・・とは思うものの、コウちゃんの芝居ヒトツで、本当に昔はブサイクで苛められてたのかなぁ、と思ってしまうんですから見事なモンです。この辺の鬱屈振りは、少し『整形美人。』の元ブス役・米倉涼子に見習って頂きたいくらいのもので。
ブスブスと言われ続けて、「いつか復讐してやる」と怨念たぎらせちゃうネガティブちゃん。そんな彼女だけが、
「山崎終君は私をブスと言わなかったのよね」
と覚えている、というのがちょっとした一捻りでございましょうか。
『ちゅらさん』国仲涼子ちゃん。演技力には定評のある二人に挟まって、これまたなかなか頑張っております。
「昔のアタシはこんなモンじゃなかった」
と鬱屈しつつ、親父ばかりの小さな事務所で中途半端にちやほやされているという役所。プライドと卑屈さがない交ぜになった表情が実にリアルで、“アイドル的存在”ってのも結構大変なのねぇ・・・と全くの他人事ながら思わず同情してしまうような役作りでございました。
そんな恵子がとあるシーンで、自分の現状に我慢ならずついつい並んだ自転車を思いっきり蹴倒すんですが。その後すぐに、倒した自転車をせこせこ自分で立て直してしまう小心さの描写を付け加える辺りが、岡田惠和の周到さ。こういうキャラの厚みが、『しあわせのシッポ』には足りないのよねぇ・・・。
終のバイト先にやってきた、リストラされたエリートサラリーマン(演じるは田辺誠一。失踪したと思ったらこんなトコに・・・<それは別のドラマだってば)の鬱屈とか、女性を外見でしか計れないように見える琴美の彼氏(海東健)だとか、初回の今夜はほんのわずかしか出番の無かった面々にまでディテールを割り振っていく手腕は、岡田氏の力量でございましょう。こういうの、ハマる人は本当にハマるんでしょうねぇ・・・。
とは言え、私は多分1話で脱落でございます。週の終わりに見るには、あまりにも重過ぎますわ。それに、彼らの世代の物語って、身に引き寄せて感じるには遠すぎるし、さりとて平坦な気持ちで外野から覗くには近すぎるし。
なんていうんでしょうね、人生啓蒙系の御本を自腹で購入してしまうタイプの皆様には、ぜひぜひお勧めしたいドラマなんですが。えぇ。秋口ならまだしも、夏に向かうこれからのシーズン、この枠ではもうちょっと爽やかなドラマが観て見たかったかも・・・(しかし、そんなことを言うと、『Summer Snow』辺りの亡霊がうぞうぞ出てきちゃいそうで、それはそれで厭なんですが。あ、付け足しみたいで恐縮ですが、とりあえず堂本剛が小松江里子から離れられた、という事実に対して深い慶祝の意を表したいと思います。祝。)。九龍で会いましょう
挿入歌ばかりかゲストにまで工藤静香を担ぎ出してくる(ちなみに来週ご登場です。初回ゲストだと勘違いして、来週うっかり見てしまわないようにご注意よ!皆さん!)というセンスからしてもうダメ。ゴメンナサイゴメンナサイ、この項短めで許してくださいまし。
大体、河村隆一アレルギーの私としては、いくら石田ゆり子が妹(『水曜日の情事』ね)に負けじと頑張って色気虫役を演じてても、主題歌&相手役のダブルで河村攻撃、っちうだけで視聴意欲は極限まで減退してしまう訳で。おまけに、妙にお手盛りの脚本は、主点があれこれシフトするんで見辛いことこの上なし。何故唐突に、主演でも相手役でもない東幹久がナレーションなんぞをやってるんだか。
柴門ふみの原作といえば、バブル期には一世を風靡したトレンディ系ラブストーリーな訳ですが。“恋する大人のラブストーリー”って言われても、石田ゆり子の揺れる揺れ幅が伊原剛志と河村隆一なんだもんなぁ。思い入れもへったくれもございませんってば。
大体、ストーリーも何も、薫(石田ゆり子)と赤沢(伊原剛志)と上三條(リューイチ)との単なる三角関係がジメジメと説明されただけの初回の今夜。香港ロケが新味といえば新味でしょうが、脇に控える東幹久や古川理科の安っぽさもあいまって、
「私は何のために1時間我慢したんだか・・・」
と思わず溜息をついてしまった放送終了後でございます。この枠、妙に昼メロチックだったり新鮮な主演女優を担いできたりチャレンジングなアホドラマを作ってみたりと、かなり冒険心の強い枠なんですが。このドラマ、(いくら河村隆一起用がめっちゃ冒険だとはいえ)フツーに作っててフツーにつまらないので、がっかり感もひとしおでございます。
とにかく、1時間たっぷり河村隆一アワー。主演は石田ゆり子なのに、濃厚な隆一光線がビシビシ飛び交っているせいで、最後に脳内に残るのはやっぱりリューイチ。
あの目線がお好きなマニアさんにはたまりませんでしょうが、私は逆の意味でたまりませんでしたわ。正直しんどかったでございます。はぁ、疲れた・・・。ゴールデンボウル,
ちなみに、“ボール”ではなく“ボウル”でございますので念のため。
1クールに1つは現れる、“愛すべきバカドラマ”の典型例。テレ朝月8(古いね)・同じくテレ朝土11時枠が消えて以来、日テレ土9枠はこのテの“愛すべきバカドラマ”の唯一にして無二たる頻出地域な訳ですが、今回も見事にヤっちゃってくれてます。適材適所の、チープで愛しいダメドラマ。よく、「バカな子ほど可愛い」と申しますが、みそっかすっ子をついついくりくり可愛がってしまう感性の持ち主には、ずばりと直球ストライクなんじゃないでしょうか。どう考えても陳腐な学芸会ドラマですが、ワタシは好き、かなり。
とにかくキャスティングが安いのがいかにもバカドラマでございます。瀬川瑛子だの小川直也だのこの枠お馴染みエノカナだの出川哲郎だの、あぁ安い安い。しかし、瀬川瑛子の意外なキャラっぷりにはちょっと驚きましたわ。決して巧い訳ではないんですが、ご本人のふんわりしたキャラクターと役どころの性格設定が相俟って、このドラマのキモである“愛すべきバカ”の部分を実に絶妙に表現しておられます。稚拙なれど懸命な演技にダメであるが故の可愛さが満ち溢れて居て、なかなかの好感度。
出川哲郎が横浜放送映画専門学校演劇科の出身であることは、意外なまでに知られていない事実なんですが。彼は元々役者志望であり、同期同朋の入江雅人なんぞは既に舞台俳優として名遂げて居る訳でして。お笑いタレントとしての出川哲郎は、「何をやってもジャマでダメ」(もちろん先日のananでも堂々の“嫌いな男”2年連続トップ1)というキャラを貫いているんですが。そもそもの出自の故か、不安視されていた程には邪魔ではありませんでした。このままおとなしく推移して欲しいもんです、えぇ(祈)。
潰れかけのボウリング場『ゴールデンボウル』に押しかける地上げ屋(小木茂光サン活き活き。『ごくせん』生瀬といい『プリガ』いっけいといい、こういうベタベタな役って業師には楽しいんだろうなぁ)。頼りにならない社長(エロジジィ大滝秀治サン絶妙)、はねっかえりのメカニック(松本莉緒ちゃん、顔はふっくらしたけど以前とは違う硬質の魅力。昔の儚げ美少女系マメグファンはがっかりかも知れないが、女性受けは今の莉緒ちゃんの方が)らは、専属プロの千秋(瀬川瑛子)に地上げ屋が連れて来たボウラーと対決させ、勝利をもぎ取り売買契約をキャンセルさせようとする。
助っ人として千秋とペアを組むことになったのは、証券マン芥川(金城武)。『ゴールデンボウル』の常連客であり、その辺のプロよりよっぽど実力がある彼は、このボウリング場の13番ロッカーに人並みならぬ思い入れがあるのだった。
しかし、芥川の見事なスローイングに比べ、プレッシャーでガチガチの千秋はミスを連発。ついに6フレ目、彼女はトイレに立て篭もってしまうのであった・・・。
・・・あれ?黒木瞳の役どころが出てこない(笑)。この後現れた、黒木瞳演じる人妻(役名も瞳ね)が、芥川と急遽ペアを組んで見事に勝利する訳ですな。
ええと、脚本野島伸司。もう諦めます、ワタシ諦めて白状します。少なくとも、キタガワエリコより野島伸司の一部の作品の方がよほどワタシにはピンと来るものが。初回の1時間で手際よく軽々とキャラを立ててシチュエーションを提示して見せる手際は、とりあえず実に手馴れたものでございます。取り扱うテーマは割としばしばハズしてくれる野島伸司ですが、“台詞で物事を進めていく脚本家”としての力量は、やっぱりそれなりにそれなりなんじゃないかと思ってしまったりして(<実は悔しい)。
下手に頭を使って深刻に考えようとすると非常に気に食わない処ばかりが出てくる野島脚本なんですが(前項『First Love』で“野島的”とクサした“コインロッカーベイビー”なんて設定は、モロにワタシが許容できないポイントですわね。あ、念のため書き添えて置きますが、『First Love』は大石静ね)、感覚カラッポにしてぼけーっと気楽に見ると、実にラクチンに楽しめてしまいますな。特に今回は非常に軽妙なバカドラマなだけに、“チープさ”と“気楽さ”が巧く連動して、野島伸司の嫌なクドさがほとんど見えないのが嬉しい所かと。ま、相変わらず非現実大爆発な訳ですが、その辺は“ファンタジー”という便利な言葉でごまかすべきなんでしょうなぁ。
事前情報では渡辺満里奈が出るという噂もあったんですが(そういえば日テレ御用達女優。『オシャレ関係』絡み?)、これは出なくて正解でしょうねぇ。マリナさんまで出てきたら、ちょっと香ばしすぎというか臭みが強くなりすぎるというか。不気味に老けない黒木瞳がセンターにいる以上、周囲はぽっちゃり莉緒ちゃんとエノカナ、そして瀬川もっさり瑛子くらいがちょうどバランス良いくらいでしょう。
それにしても、どこまで腕に自信があるんだ黒木瞳。
何が可笑しいって、黒木瞳の投球シーンがあからさまに“吹き替えなし!”を前面に押し出している事で。カメラは黒木瞳の投球フォームから、ボールを追ってレーン上をなめて行きます。そして見事なフックボールがピンを薙ぎ倒してポケットにインするまで、これが全て1カット(笑)。継ぎ接ぎなし、「明らかに本人投げてます」のお見事さ。いやいや、彼女のスローイングを見るだけでも価値あり、の見事なボウラーっぷりでございます。別に、“愛すべきバカドラマ同好会”に入れとは言いませんが、このナイスピッチだけはぜひ1度ご覧下さいまし、皆々様。