東京庭付き一戸建て

    驚異の予測転覆ドラマ『ごくせん』、最終回は悶絶の23%越え。で、その後を引き継ぐのがこちら、『東京庭付き一戸建て』!主演、松本明子!じゃーん!
    ・・・という訳でワタクシ、微妙にやけくそになっております。一体『ごくせん』の貯金で何を企んでるんだ日テレ。そんなにドラマで稼ぐのが気に食わないのか日テレ。手にしたものは確実に手放そうというつもりか日テレ。それってエコの精神?地球に優しいの?日テレ。流石は24時間テレビのパイオニア。<ちがーう!

    母親(藤田弓子)の三回忌に、突然父親(原田芳雄)が
    「皆で住むんだ!」
    と言い出したところから始まる大騒動。長女・春海(森下愛子)は表参道で働くキャリアウーマンで、父親には煩わされたくない。次女・結夏(松本明子)は既に結婚しており、分譲マンションを買う目処も立っている。三女の秋名(菊川怜)はテレビ局勤め。おねだり戦利品のブランドものに囲まれて暮らす今の生活が気に入っている。四女冬夢(山川恵里佳)は今流行(?)のヒッキー。漫画家志望でほとんど口を開かない彼女も、部屋一杯の漫画に囲まれた今の暮らしから出たくない。おまけに五女の巡(加賀美 早紀)は家出中。
    すったもんだありながらも、父の愛に気付いた姉妹は結局父と暮らす事を選ぶのだが、この住宅が欠陥住宅で・・・。

    この5人姉妹が、うるさい父親の心に潜む娘への想いに気付く仕掛けが、物件の“条件”なんですね。どう考えても無茶な条件を並べ立て、不動産屋の若造(塚本高史)に無理やり探させた物件は、超掘り出し物の白金4LDK一戸建て。
    仕事第一の長女のためには「通勤至便」、子持ちの次女一家のためには「小・中学校徒歩5分内」、見栄張り三女のためには聞き映えのする「ブランド住宅街」、四女のためには漫画を大量に置ける「屋根裏収納」。そして、
    「私は父に愛されていないのでは」
    と悩む五女のためには、門柱を破壊してまで作った「庭」に植え替えた柿の樹。
    これを思いついた時には、脚本家(森下佳子=『平成夫婦茶碗』)きっとガッツポーズしたんだろうなぁ・・・と、ワタシみたいな心のキタナい人間はついつい斜に構えてしまう訳ですが。ま、ツボるタイプのヒトには大ツボの人情話ですわな。素直に泣いた視聴者、意外に多かったんじゃないかと。そもそも、初回ゲストにみのもんたを持って来るって辺りからしても、
    「こういうベタな話で泣けるヒトビト」
    を視聴層として当て込んでいるのはミエミエですもんね。あぁ、『ごくせん』までとは行かねども、もしかして『平成夫婦茶碗』くらいの線は行ってしまうんでしょうかこのドラマ。顔ぶれ(いわゆるゲツクの対極を張った、しみじみと地味な取り合わせ)から予想される視聴率を大きくひっくり返して、“日テレ水10”が一気に優良枠として再認定されちゃったりしたら笑うけどな、かなり。

    五女を演じる加賀美早紀ちゃん。どこかで見た顔だと思ったら、映画版『プラトニック・セックス』の主演のコですわ。へー、映画のオーディションってのはやっぱりそれなりに力が入るのね、見るヒトが見て選ぶ人が選ぶように出来ているのね・・・という感じです。“ダメな女の子”というキャラクターは映画とモロにカブってますが、何ともいえない魅力的な表情をするコです。多分連ドラ初出演なんじゃないかと思うんですが・・・その割には騒がれませんねぇ。
    前クール、『空からなんちゃら』でエラく意味不明のキャラクターを演じさせられていた森下愛子サン、珍しくお化粧薄めでご登場。塗って無い方が若いわよ!それってどういうことなの愛子サン!
    復帰以来、頓狂キャラ・ぶりっ子キャラばかりが続いていた愛子さんですが、今回はいつもキンキン尖ってるキャリアウーマン役。これが意外にも中々の出来で、ちょっとびっくりでございます。しかし愛子サンも連投しとるなぁ。家庭大丈夫なのか?
    次女を演じる菊川怜、思いっきり掛け持ち中(木曜フジ『恋愛偏差値』第一章)。このクール本当に掛け持ち多いよねぇ・・・。
    いつも不思議に思うんですが、菊川怜ってどうしてあんなにアホ臭く見えるんでしょうね?彼女、皆も先刻承知の国家お墨付き高学歴女優、の筈なんですが。振られる役どころがいつもアホっぽいのか、あの特徴ある口元がいけないのか、どことなく「知性派」というよりは「オネダリ女」キャラの方が似合ってしまうという・・・それって演技力ってコトなんでしょうか。どうなんでしょうか。

    トップクレジットは松本明子。
    あの悪夢の「ぽぽんたぽぽんたぽぽんたふう」こと『サービス』等、日テレドラマには縁の深い方でございますが。しかし多いよな、日テレ主演。かつて『電波』で色々無理させた罪滅ぼしなんでしょうか、T部長。ごくごく普通に考えて、連ドラ主演ってのはどうかと思われる人材なんですけども・・・こういう生き方もあり、と世に発信しているような松本明子の頑張りは、はてさて視聴者にウケるのか・・・いや、こういうのを喜ぶ層(かつて森口博子を「がんばってるわねぇ、エラいわねぇ」と評価した類の層ね)に向けて発信しているのか、このドラマそのものを。なら問題無しだな。ワタシにはかかわりが無い、というだけの話であって。

    パパイヤ鈴木の勤務する会社が(株)マイウ食品という辺りくらいですかねぇ、素直に笑えるポイントは。テンポも悪くないし笑いと涙のバランスも良く、手堅くまとめてはいるんですが。どうしても、
    「人情!泣かせよう!感動させよう!」
    とし過ぎているのがあざとくて、ワタシはパス。っていうか、父親原田芳雄が余命3ヶ月って設定、いくら何でも酷すぎる。“大家族の衝突と情愛”“欠陥住宅問題”とすでに2つもテーマ入れてるのに、更に“複雑な愛憎を込めた父の死”なんていうテーマ入れたら、最終回周辺はもうこっちゃこちゃになってしまいますわよ。
    原田芳雄と不動産屋チーム(塚本高史・中川家兄弟。塚本、イマドキ男を相変わらずのテンションで好演。中川家兄弟はもう漫才のまんま)とのバトルをストレートなお笑いに持って行くためにも、ここはすっきり“誤診”または“勘違い”にした方がヨロシイのではないかと思われますが。っていうか、秋に向かって安易にヒトを死なせるのはよしませんかい?
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マイリトルシェフ

    「うん、こっちの方が素敵」と微笑む矢田亜希子、ついに念願の初主演。必死で情感を乗せている声の芝居に比べて、どうしても表情筋が固いヤタちゃんな訳ですが。何かに似てる似てる似てる・・・と思っていたら、そうよ声付きゲームのポリゴンCG美少女っぽいのだわ。あの、ツルツルのお肌にツヤツヤの唇にぱちぱちの睫毛、そして、派手な声での感情表現に比べて動きの無い表情・・・そうか、ヤタアキって進化した伊達杏子だったのか(笑)。
    阿部寛を筆頭に、風間杜夫だの梶原善だの羽場裕一だのと濃い目の面子を揃えておきながら、その濃さが全く画面に出ない実にまったりのったりしたドラマ。もしこれが狙いだとしたら、あの匂い消しの凄まじさは実にお見事でございます。スローテンポを「丁寧に作った良作」と観る事が出来るヒトにはヒットするかと。
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サトラレ

    だってだってだって、映画でもやったじゃん、『サトラレ』。観てないけど。今更テレビでやる理由は何処にあるの?単にネタ枯れ?

    安藤クンからオダジョ、鈴木京香から鶴玉湯(どうしていつもこう変換されちゃうんだ。もちろん鶴田真由ね)ってのはまだ判るんですが、何故内山理名から小池栄子?何故?
    ・・・いや、結構好きなんだけどね普通のタレントとしての小池栄子は。しかし、普段のあの豪快なキャラを封印して芝居一本で彼女を起用するのって、どう考えても冒険なんじゃないか?しかも彼女、
    「サトラレに想いを寄せられてしまう病院のアイドル」
    という、結構大きな役どころ。芝居のキャリア的にはまだ海のものとも山のものとも判らないのに・・・っていうか、今日見た限りでは小池栄子、お芝居は神田うのと同格(つまりはかなりヤバい)。負けず嫌いで努力家な栄子ちゃんの事ですから、小さな役からこつこつやっていけばきっと少しずつ上達していったんでしょうが。ネームバリューだけでけっこうな役がついてしまって、却ってお気の毒かも知れません。

    一方で。
    折角『恋ノチカラ』ですっかり名と顔を売ったはずの猫背椿チャンが、どうしてこんなトコで新聞にも名前の出ないしょーもない役をやってるんでしょう?『ハンドク』で4番手を張った筈の佐々木蔵乃介が、どうしてこんなトコで器の小さい妙な悪役をやってるんでしょう?
    舞台系の役者を担ぎ出してくるのは何かと楽でいいかも知れませんが(何せ、安くて巧くて機転が利くからな)。頭数だけ揃えて、折角集めた役者をさっぱり活かしきれないドラマなんて、むしろ役者ファンにしてみれば苛々の種。
    今回もこの枠、前述の2人の他に佐戸井けん太やら小林すすむやら大御所北村総一郎やら、シブい処まできっちり押さえた気合のキャスティングなんですが。どう考えてもこの脚本じゃ、「かき集めただけ」という感じです。そりゃもう皆さん、役者としての愛嬌やキャラクターでもって、少ない出番でもびっちり味は出しておられるんですが。しかし、脚本や演出がそれに頼り過ぎで、あまりにも薄くて継ぎ接ぎ気味。ああ勿体無い勿体無い、これだけのメンバー集めりゃもうちょっと・・・と思って切歯扼腕してるモノカキ、少なくないんじゃなかろうか。

    いやしかし佐藤マコト(原作)、よく思いついたなぁ「サトラレ」なんて。「サトリの化け物」というのは、日本妖怪譚ではかなりの有名妖怪ですが。「悟っちゃう」んじゃなくて「悟られちゃう」ってのは、凄い発想の転換。
    で、それをいい加減にドラマにするとこうなります、っていうのがこのドラマですな。
    転任してきた女医がいきなりサトラレに遭遇して戸惑う・・・ってのは、いくら何でもおかしく無い?
    「サトラレに対して『自分はサトラレである』という事を気付かせるような言動をした者は、処罰の対象となる」
    って位厳しい保護規制があるんなら、勤務先の病院に転任してくる新しい人材にだって、もっと厳しい事前レクチュアがあってしかるべき。
    っていうか、あんな街中でサトラレが生きていけるのかな?この街は、コドモにまでサトラレ対策が周知徹底してるの?もしその街にもう1人サトラレが来たらどうするの?っていうか、サトラレの実家が客商売やってて大丈夫なのかね?
    ・・・と、ちょっと考えただけでも疑問がイッパイ。真面目に考察すると辛くなりそうなので、この辺で思考停止しときますけども。っていうか、いちいち考えちゃイケない枠なんだろうなぁここ。前クールの『眠れぬ夜を抱いて』も、一見シリアスだったが真面目に考えると頭沸騰しそうな最終回だったし。

    鶴田真由、目の下のたるみが怖いです。手術用マスク着けたシーンでは、目の部分しか見えませんから余計にたるみが目立ってしまい、何だか非常にホラーなコトになっておりました。顔立ちが綺麗な女優さんて、場合によって老けるときは一気に老けるからなぁ・・・気の毒だけど。
    全体的にしんねりとした、笑顔が今一歩似合わない不幸顔の鶴田真由嬢。こういうファンタジックSFだと、やっぱり鈴木京香嬢のようなどこかコメディエンヌな体質の女優さんの方が合っている様な気も致します。なんか妙に暗いのよね、彼女。

    オダジョ。
    『天体観測』との掛け持ちですが。
    あーあ・・・売り出したい気持ちも判りますが、やめましょうよそろそろ、同一クールの主演級俳優掛け持ち。前クールも長谷川京子と柴崎コウが思いっきり掛け持ちしてましたが、同じ週の中で別々のキャラを立てるのは、並大抵のことじゃ無いと思うんですよ。それも、ワンポイント的脇役キャラならともかく、主演級だとねぇ・・・。
    オダギリジョーも、『天体観測』の醒めた拝金主義風若者と、こちらの心根のピュアなサトラレを、よく頑張って演じ分けてるとは思うんですが。それにしたって、
    「一昨日にはスケスケの半袖シャツに白ベストっていうモロに危ないファッションで札ビラ切ってたよね」
    とつい思い浮かべてしまうと、観てるこちらはどうにも萎えてしまいます。そもそも、“役作り”ってコトを考えると、本来は連投だってかなり辛いと思うんだけどなぁ・・・それだけ、オダジョ辺りの世代の人材が少ないってコト?それもちょっと違うと思うんだけど。
    演じてる方だって、やれ演じ分けだキャラ替えだ髪の染め直しだと色々手数も増えるでしょうし、第一飽きるでしょ、あまりにしょっちゅう画面に出てると。
    売り出しの方策の1つとして、「とにかく露出を多くする」という方法があるんでしょうが。掛け持ちは、役者を色々な意味で疲弊させるだけの意味しかないんじゃないか、と思うんですけどいかがなモンでございましょう。それでもやっぱりファンにしてみれば、たくさん観る事が出来る方が嬉しいんでしょうかね・・・この辺、結構微妙ですが。

    折角ササクラと佐戸井さんがご登場のこのドラマですが、流石にこのお二人の魅力だけでは持ちこたえられそうにございません。神田うのの破壊的演技(そして凄まじいコスプレ根性)や鶴田真由の陰々滅々オーラ、風吹ジュンの妙に激しい所帯やつれなど、なかなかに正視し辛いオブジェクトが点々と発見されてしまって。漫画のほうの出来栄えがどうなんだかは知りませんが(未読です)、とりあえずドラマは脱落。とにもかくにも、ファンタジーにしては主演が暗すぎるッ!

    主題歌、GLAY。ここまで堕ちたか(号泣)。っていうかTERUよ、テレ朝といえば、無情にもヨメの番組打ち切った局だぞ。いいのか?
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僕が地球を救う

    『IWGP』『天近』『木更津』と、“オトコノコ系”ドラマをやらせたら当代随一の磯山P。『やまなで』『スタ恋』と、“ロマンティックラブコメ”で異能を見せた中園W。かつてシリアス系の『不機嫌な果実』でコケたこの2人のタッグが、互いの得意分野を持ち込んで捲土重来を期したこのドラマですが。
    どうも、脚本のユルさと演出の堅さが今一歩アンマッチ。このテのユルユルなコメディは、やはり星護みたいな素っ頓狂な演出が合っている訳でして。今の様なフツーの演出だと、脚本のユルさばかりが目立ってしまって素直に「バカコメディ」として楽しめない恨みがございます。
    本来、キャスト十全で知られる磯Pドラマなんですが(しかし細野祐見子ヘンな顔になっちゃったなぁ)。どういうバーターなのか無理やり突っ込まれたようにしか見えないネプチューンのホリケンが演じている役は、どう考えても渡辺いっけいの演じどころかと。何に負けた、磯P。


恋愛偏差値,

    すごく新機軸みたいに見えますが。そういえばフジって、『こいまち』って単発風連ドラをやってコケさせたことありませんでしたっけ?ねぇねぇねぇ。

    オープニングで、各話の主演を張る女優さんが揃い踏みするんですが。ええとええと、なんつうかこう、色んなものがはっきりしてしまいますわね。これまでピンで立つ事によってゴマかしていた何かが、ずらずらっと同じ大きさで横に並ぶ事によって、はっきり色を見せてぐぐっと立ち上がる感じ。
    特に“ナニカ”が表出しちゃったのは、常盤貴子。映りによっては非常にバランスの悪いお顔立ちになるのが、全方位的美形の柴咲コウちゃんや中谷美紀との比較で、妙にハッキリしてしまいます。ええと、この場合、某姐さんはちょっと措かせて頂きますが(<とても失敬)。
    それに、微妙に中途半端なお年頃のせいか、妙に厚化粧なのもポイント低し。既にある程度キリのいい年齢(<またまた失敬)に来ている財前直見サンは、その辺妙にすっきりと割り切っちゃった「年齢相応の映り方」を心がけているせいか、却って時折とっても魅力的に見えたりする瞬間もあるんですが。常盤サン、いかにも
    「まだまだ若いコには負けないわ!」
    という派手目のお化粧がちと空回り。そろそろ苦しくなってきたのかなぁ、常盤ちゃん。『漂流教室』といい、何だか微妙に迷走中ですが。そろそろ一発逆転欲しいトコよねぇ、吾郎との組み合わせが成功するとよろしいんですが。

    テーマソングはMISIA。しかしこの曲、何かのCMで使ってなかったっけ?どうしても清涼飲料水のイメージが頭を駆け巡ってしまいます。いくらちょっといいカンジの曲とはいえ、テーマソングは手垢のついてないものにしましょうよ栗原P・・・。
    あ、でも、ここでうっかりつんくに新曲委託するよりまだマシなのか。そうか、そういうコトか。とほほ。

    やたらあれこれ豪華なキャスティングを持ってきたのは、フジ名物栗原P(流石にはぁと♪は止めた様ね)の手腕なのかも知れませんが。それにしても、初手から使いすぎじゃない?篠原涼子に菊川怜に木村多江(その分、男性が弱いってのは禁句でしょうか)。とりあえず第一エピソードってことで色々揃えたんでしょうが、その分、第3エピソードの脇固め配役が発表になってない辺りに不安を感じさせたりして。っていうか、既に第2エピの相手役がドンドコ山口(笑)。エピ1に予算突っ込みすぎた感が無きにしもあらず。財前ねーさん頑張ってね・・・(涙)。

    で、一話目:「燃えつきるまで」。
    何だかねぇ、妙に感じの悪い話なんですよ。
    ある1人の、美しくて有能な女性が居る、と。仕事も恋も順調極まりなく友人も居て、充実した毎日を過ごしている、と。
    ところが、突然の恋の破綻と同時に、これまで彼女を妬んでいた同性たちの嫉妬が爆発する事に・・・と。
    専業主婦で怜子に対して鬱屈の深い真樹子(木村多江)とか、先輩として慕ってるフリをして実は追い落としを狙っていそうな恵美(菊川怜)とか、主人公を取り巻く女達が何だか妙に感じ悪いんですわ(また、演じる二人の女優もこのテの役は大得意だしな。活き活きしてるぞ、どっちも)。

    怜子が失恋した後。
    真樹子は、わざわざ怜子を家に呼びつけて、彼が今地味なバツイチのオバハンと付き合ってるということをしれっと怜子に告げ、怜子の動揺を煽って独りほくそ笑むんですね(流石貞子!多江さんめちゃめちゃ怖いです)。で、ヤケになった怜子は、独りウォッカを呷りながら好物のシナモンロールたらふく喰うんですが。胸焼けと酔いですっかり寝潰れてしまった彼女、大切なプレゼンをすっぽかしてしまうんです。
    ところが、既に怜子のプライベートでの変調に気付いていた節のある恵美が、そのプレゼンをさっくり横からかっぱらった挙句に、部長に
    「怜子さん、忙しかったから。しばらく休んだほうが・・・」
    と余計な事を。まぁもう、ちょっと弱った牛をハイエナが寄ってたかって食いちぎるような凄まじさでございます。

    っていうか、鬱屈主婦・真樹子の事を、
    「なんとなくリアル。女性の裏の顔ってみんなこうなのねー」
    と感じてドキドキしているそこの貴方!それは大間違いですからどうぞご安心くださいませね。
    4歳の子供(しかもオンナノコ:このくらいの年齢だと、大抵女の子の方が乱暴らしい)のいる主婦が、あんなにのんびり他人に嫉妬なんてしてられるかい。やれ幼稚園だの姑だの実家だの近所づきあいだのと、クッキー焼いて女友達にやきもちも焼いて、なんて優雅な生活してるヒマありゃしないのが普通だと思いますわ。
    もちろん、真樹子みたいな女が一人も居ないとは言いませんし、女性に嫉妬心が無いなんていう気もさらさらありませんが。しかし、あそこまで厭らしさを出しちゃうようなエキセントリックな造型を、
    「いかにもどこにでも居そうね、こういうヒト・・・」
    と素直に受け取られると、世の女性(というか主婦のミナサン)も困っちゃうんじゃなかろうか、と。女友達に対する嫉妬心よりも、もっと日常的に色々大変なのよ、主婦って大抵は。ああいう“主婦像”を描いちゃう人って、よっぽど“主婦はお気楽な毎日を過ごしていて暇である”と思ってるのねぇ、と溜息出ちゃいます。ゴミ出し!子供がヨゴすから掃除!子供がヨゴすから洗濯!メシの支度!おやつの準備!幼稚園の送り迎え!習い事!洗濯物の片付け!アイロン掛け!・・・少なくともワタシの周囲の子持ち主婦は、わざわざ女友達家に招いてまで嫌がらせするような生活してませんがね。
    こういうキャラを見るとすぐに「リアル」だとか「ああ、いるいるそういうタイプ」という方もおられるようですが。厭ねぇオクサン、ドラマに騙されちゃいけませんってば(笑)。皆そうそう性格悪くありませんって。っていうかそんな暇無ぇよ、マジで(と信じ込んでるワタシがお人よしなのか?)。

    巧者中谷美紀が、失恋でボロボロになりつい身も蓋も無い行動に出てしまう女性を見事に演じております。またこれが、話のしんねり度に加速をつけておりまして。泣き顔も見事でしたが、笑っちゃうくらい凄かったのが「二日酔い」の演技。妙にリアルで、
    「あれは下戸には出来ない芝居だろうなぁ」
    と思ってしまいましたわ。
    しかし中谷美紀は流石だなぁ。彼女の演技力のおかげで、しょぼしょぼ関口二世(知宏・ご存知『知ってるつもり!?』の息子)がエラくいい男に見えてしまいますわ、うっかりと。冷静に考えると、どうして彼女があんなショボ男クンにそこまで執着するのかさーっぱり判らない訳なんですが。中谷美紀の熱演のおかげで、何とか
    「そりゃねーだろ(失笑)」
    のコント状態をまぬがれております。だって、どう考えても可笑しいでしょ?関口知宏にフラれて落ち込む中谷美紀の図。何贅沢コいてるんだよ関口、ってドつきたくなりますわ普通なら。そんなエラそうな立場じゃないだろうオマエ、って。

    来週は、傷心の怜子を何かとかばうリュージ(岡田准一)の存在にまで女友達が嫉妬して・・・という展開になるらしいんですが。このリュージ、デザイナー志望ってコトは、もしかして女性に興味が無いとか?何となく、そういうオチになりそうな予感。
    原作が直木賞作家の唯川恵(「ワタシが脚本も書く!」などと言い出さなかったのは好感度大)なだけに、いずれにしても最後は怜子がたくましく成長して一歩踏み出して終わり、になるんでしょうが。
    それにしてもカンジ悪いわ、このドラマ。女性同士の相克を一見リアル風に見せているんですが、全体的な描写が妙にねとねとし過ぎていて、湿気の強いこの時期に毎週木曜楽しみにチャンネル合わせるようなドラマじゃありません。
    そりゃ、最後の浄化感は、それまでのドロドロが濃ければ濃いほど相対的に強くなるんでしょうが。そうすると、1エピソード全4回というのが非常に中途半端。どうせなら、1〜2時間でがーっと上げ下げするか、もしくはドロドロを薄めにしてじわじわ回数勝負するか・・・の方が、見ている方も気が楽なんですけどね。中途半端に濃い目の「友人面したライバルたちのイジメ」が単に不愉快なだけで、その重さ故に次が楽しみではなくなる感じ。篠原涼子と中谷美紀の「気の置けない親友トーク」部分にかろうじて軽快さは見られるものの、とてもガッツリ見る気分にはなれませんな。ワタシはさっさと脱落。

    本日の個人的なツボは、怜子の趣味でございました。タオルを風呂の蓋に敷いて氷水のゴブレット持ち込んで、浴槽でのんびり読書。ぎりぎりまで風呂の蓋を閉じておいてテーブル代わりにする辺りもアタシと一緒だわー、とちょっとヨロコんでしまいました。
    が。
    一時間たっぷり中谷美紀のアップを見た後で、歯を磨こうと洗面所に行って鏡を覗いた瞬間、
    「あ、中谷美紀ってばアタシと同じことしてるー」
    と喜んだことがちょっと虚しくなりました。ドラマの怜子も不憫でしたが、ワタシも相当不憫だわ・・・。


愛なんていらねぇよ、夏

    すいません、ちょっとしたミスで初回を見損ねてしまいました(再放送までやってたらしいのに見事にスルーした。見たかったのに荒川良々)。という訳で、2回目を見た感じのざっくりした感想をば。
    顔面真円半魚人化加速中ヒロスエと、「え?松本人志?」な渡部篤郎。ビジュアル面でかなりどうか、な2人を側面から支えるのが藤原竜也と西山繭子、というコトになるんでしょうかね。西山繭子、そういえば前のドラマも渡部とだったなあ、事務所絡んでる?と調べてみたら、今回は彼女ヒロスエとの絡みでございました(事務所が同じ→http://www.flamme.co.jp/flm_menu.html)。
    堤演出となると、どうしてもあの独特の画作りばかりが注目されてしまうんですが。意外に頑張ってるのが脚本の龍居由佳里ですな。重い演出と重い芝居(特に、ノリノリ渡部の熱い芝居ね)に、今のところは台詞が負けておりません。今後のご健闘を祈念。
    で、どんなホンでも堤色に染めてしまう演出なんですが。ここしばらく自家中毒気味だった堤氏、色を抑えての今回の画面つくりは、良い意味でのエッセンスだけが出た感じですな。個人的には、かなり好みでございます。あざとさを排除すると、やっぱり絶妙の切り取り方だし光も綺麗。ただ凝っただけの似非ツツミがどんどん淘汰されていく中、本来の強みが充分に出ている感じがします。
    半海一晃サンや坂口良子の怪しさがなんともタマりませんが、『昔の男』で新境地を開いて以来なんだかこんな感じの役ばっかりの鈴木一真と、やっぱりイイヒトよりも怪しげなオッサンの方が魅力的な森本レオサンとがいい抑え。ゴルゴは・・・ま、宮迫の夢(『美しい人』)よもう一度、って感じなんでしょうか。
    ちょっと気になるのは、何故か音楽スタッフに名を連ねてる武内亨(元チェッカーズ)。なんか食い込んでるなぁ色々と、最近のトオル。


こちら本池上署

    だあああああああああああああああああああああああっ!

    はッ、申し訳ありませんちょっと取り乱しました。何せ、たかもちげん時代以来の原作ファンなもんですからねぇ。実はワタシ、『モーニング』毎週楽しみに買ってたりするんですけども。
    原作漫画は、毎回1話読み切りが基本の「ちょっとえぇ話」。一生懸命で有能なあずさちゃん(野波麻帆チャン、唯一納得のキャスティング)とどこかのほほんとした前田クン(ドラマには登場せず)の若手コンビの成長を軸に、派手さは無いものの、自分達の仕事を懸命に遂行する人々のハートウォーミングなチームワーク物語なんですね。決して、決して副署長が徒党を組んでキャリア署長を煙たがったり本庁組にヘイコラしたりはしないんですッ!!しないんですッてばッ!!!

    副署長橋爪功(またこーいうのやらせっと巧いんだよなあのオヤヂは)とその腰巾着ベンガル&田口浩正の感じ悪さで、ドラマの面白さは既に3割減。おまけに、初回のストーリーが、“夫に殉死された女性警部補の復讐譚”と“狼少年正義の味方になる”という手垢付きまくりの物語。一話で終わらずシミシミと話が繋がっていく辺りが新味といえば新味なんでしょうが、はっきり言って原作ファンとしては怒髪天を突く、といった状態でございます。いわゆる“テレビドラマ”として成立させるために、判りやすいファクターをいくつか原作に盛り込んだ心算なんでしょうが。それがことごとく、原作の独特の味わいを潰す方向に向いているというのが、いかにもお手盛りなギョーカイの浅知恵、という感じ。
    こら!やぶうちゆうき!あんなドラマに原作権売って、師匠に済まんとは思わないのかッ!(号泣)

    かつてこの枠で、唐突に『こちら第三社会部』なるドラマが放映された時。
    あまりの暴挙に驚愕したワタシに、色々な方がご教示下さいました。つまり、
    「この枠はそもそも時代劇枠であり、『水戸黄門』『大岡越前』等のいわゆる“勧善懲悪お手盛りドラマ”の温床かつ最後の砦であった。で、その枠で現代モノをやるに当たっては、やはり『水戸黄門』などのエッセンスである“勧善懲悪”“家族の情愛”を必ず織り交ぜねばならない宿命にあるのである」
    と。なるほど、と甚く納得したワタシだったんですが、まさかいくら何でもTBSが
    「『こちら』シリーズとしてこの枠の現代モノを定着させたい」
    とトチ狂ったような事を言い出すとは・・・“『こちら』シリーズ”っすよ“『こちら』シリーズ”。新聞→警察と来たら次は病院だろうなぁ。予想:『こちら第七病棟』。駄目?駄目?水野真紀主演の看護婦モノ。ありそうで怖い・・・。

    主演、高島弟(いまだにフルネームを正確に書くことが出来ないワタシ。政宏だか政伸だか宏伸だか、兄弟で同じ漢字が入ってると途端に混乱するわい<野村が混じってますが)。
    かつて、故・ナンシー関師匠(哀悼)が『ぬいぐるみ演技』と喝破なさった芝居っぷりは、その記号論的顔面筋肉過剰運用の度合いをかなり落としております。何だか随分真っ当な芝居をするようになってしまって・・・確かに巧くなったとは思いますが、どことなし突っ込み処を失ったつまらなさを感じてしまうのは何故なんでしょう。役者は突っ込むものではなく演技を見るものだ、という根本的認識が、どうもワタシには欠けているようです。
    で、ドラマ終了直後に関東地方で流れたキンチョウのCM。てっきりガレッジセールだと思ってたら、ゴリにそっくりのブキミ女装オバサンって高島弟だったのね。こっちは、ぬいぐるみ演技爆発のノリノリっぷりで・・・嗚呼何てコトだ、編成ももうちょっと考えてCM組んでくれよ・・・。

    原作にはそんなんおらんかったやん、のキャラとして、元祖綺麗なおねえさん水野美紀と、一時期凝ってた無駄鍛えを止めたら随分不幸そうにやせ細ってしまった知念里奈が登場。綺麗どころを入れるなとは言いませんが、いかにもな“無理くり突っ込んだ感”が涙を誘います。野波麻帆チャンだけでも充分なのになぁ・・・。
    何処へ行くつもりでキャリア積んでるんだかさっぱり判らない金子賢も登場。どう考えても“勢いだけの若いモン”って年齢は越えてると思うんですが、今回もベタベタな「新配属の刑事」役。どこまでこの手の熱血パシリキャラを貫けるか、という命題は、どの年齢まで不思議ちゃんで押し通せるのか、という命題を背負った稲森いずみと双璧をなしている感がございます。二人とも、押し通すべき命題が重過ぎて演技にさっぱり気が入っていないってのも共通点ですな。このクール思いっきり揃い踏んでますが、さて密かなる対決の行方や如何に。

    水木(金子)と中井(野波)が新配属となった本池上署。署長の椎名(高島弟)が初出勤の二人を迎えてまもなく、管内で銀行強盗が発生した。どうやらその犯人は、2年前に菊川(水野)の配偶者が奪い取られた警察拳銃を所持しているらしい。同件で殉死した菊川の弔い合戦だと、署内は雪辱に燃える。
    捜査に参加したい菊川だが、副署長青柳(橋爪)は、「私情を介入させるべきでは」という理由から首を縦には振らない。そんな中、犯人を見たという少年卓(田島健吾)が、椎名の一人娘・由美(加護亜衣・モー娘。)に連れられてやってきた。
    地域では有名な狼少年である彼のことを、刑事課長(ベンガル)は信じようとしない。しかし、卓の観察力を信じた椎名は、美術短大出身の中井を伴い、卓の元へ。卓の証言を元に中井が書いた似顔絵を、本庁からやってきた椎名の同期・堂上(伊原剛志)は、有力な情報として採用するのだった・・・。

    あぁ、書き起こしてたら情けなくなってきたぞ。いいのかなぁこんなお手盛りのストーリーで。ま、これでこそ安心感、ってヤツなのかも知れませんが。
    それと、一部に問題映像が。銀行強盗の捜査を外れている菊川と相馬(池内万作)が、ダイエット詐欺の内偵調査をしているんですが。相馬君、思いっきりターゲットを携帯カメラでぱしゃぱしゃと御撮影。これ、ヤバいんじゃないの?一種の盗撮だってんで今問題になってるよねぇ携帯電話付属カメラ。自分録りならともかく、他人を無許可で撮影するのは・・・と、例の菊川怜のCMが問題化している昨今、いきなりドラマで警察官がそういうコトをしたらまずいんでは・・・もう少しタイトにチェックしようよ、そういうシーンはさぁ・・・。

    という訳で、何ともへこたれ気味の『こちら本池上署』。あまりに脱力したんで、ついついゲツク見るの忘れちゃいました。ごめんね竹内。
    いやしかしそれにしても、どうでもいいけどあの加護の可愛さは一体何なんだ?どうしようも無く下手クソで、おまけにルックスだって到底美少女とは言いがたいのに、なのに妙に可愛いんだ加護が。何というか、“ブサ可愛い”って状態のある種の到達点に来てるな、今の加護。どうにもヘタレなドラマだが、ここだけは卑怯だ、めちゃめちゃ卑怯だ・・・。