やまとなでしこ

    秒刻みで男(の財力)を判断し、これと狙いを定めたら蕩けるような笑顔で瞬殺する“合コンの女王”スッチーと、頭はいいかも知れないがとりあえず貧乏な魚屋との恋物語。
    初回は、堤真一演じる魚屋の店主が学生時代の友人に引っ張り出された合コンで松嶋菜々子に出会い、様々な誤解を経た後に、松嶋菜々子を得たいがためについ身分を詐称してしまう・・・というところまでが、人物紹介を交えつつ1時間で描かれまして。
    コメディの滑り出しとしては、脚本も演出のテンポもまずまずだったと言えましょう。間延びする事無く、いかに松嶋菜々子演じる桜子がショーも無い女か・いかに堤真一演じる欧介が情けない男か、というのをきっちり印象付けることが出来、
    「テレビ雑誌さえあれば、たとえ初回を見逃しても、とりあえず次から見れば話は判る」
    というセオリーもきっちり踏まえて、それなりの第1回でございました。演出の勘所で流れる音楽も、なかなか見事にツボを押さえております。

    貧乏が嫌いで、金持ちの男をゲットする事によって必死に幸せになろうとする女・・・という松嶋菜々子の設定が、どうしたって前クール『億万長者と結婚する方法』を思い起こさせる訳ですが。しかし、初回で見る限り、堤真一のとぼけっぷりと“ダメ男VS高めの女”という構図は、むしろ『バス・ストップ』を想起させるような気もします。っていうか、2クール連続で“貧乏男奮戦記”かい、月9ったら。このクールは終盤クリスマスも絡む事だし、もうちょっと編成的にヒネって欲しかったけどなぁ。

    松嶋菜々子というのは、結果的に醜い顔をすることはあっても、不細工な顔をすることが出来ない女優さんな訳で。
    この場合の“不細工な顔”というのは、例えば『IWGP』や『ナニ金・5』で加藤あいが見せたぐちゃぐちゃの泣き顔や、ヒロスエのあの「イケてねー」顔などのようなものを指すんですね。つまり、顔面の全筋肉を思いっきり収縮させたり弛緩させたりすることによって生まれる、“通常人前では晒す事の無い、恥ずかしい”表情。
    こういう“不細工面”をカメラの前でどこまで晒せるか、というのは、ある意味女優としての腹の据わりっぷりを見る一つの基準たりえる訳でして(ちなみに、ワタシに言わせりゃ、大竹しのぶは調子に乗ってこの“不細工面”ばかりをやたらと見せ付けるせいで、黄門様ご一行が四六時中印籠出っぱなしにしてるかのような目障り感があるんだよなぁ、と)。で、菜々子嬢の場合は、どうもこの“不細工面”がまだまだ苦手でらっしゃるような。なまじお綺麗なだけに、何を演ってもどんな感情を表しても、必ず顔の何処かにいらない緊張感(見られている、という自意識とも言うな)が残っているんですわ。故に、芝居に迫力が無いし、客席側からしても感情移入が難しいんですな。
    ただし。
    今回の場合は、この“不細工面が苦手”という属性が、却って良い方に向かっているような気がします。つまり、演者の技量不足のせいで、リアルな「金が命の綺麗な女」という造型が出来ない、が故に、このストーリーがファンタジーとして成立する、と。
    正直、
    「ワタシの武器はこの美貌だけ」
    と抜け抜けと言い切る女性をリアルに描写されても、週の頭から苦々しいだけですしねぇ。薄めの描写・薄めの演技でさらっと押し流してしまった方が、ファンタジックコメディとしてのドラマの本筋にそぐうのではないか、と。
    むしろ、菜々子嬢の漫画的なデフォルメ演技がストーリーやキャラクターに妙にびしっと嵌まっていると言ってよく、
    「所詮“最後にはシンジツの愛に気付いて堤真一とくっつく”ってだけのドラマでしょ」
    と思いつつも、結構それなりに続きが見たくなるような雰囲気はあったりします。クルーザーデート変じてつり舟の舳先で憮然と仁王立ちする桜子の姿なんざ、かなりいい感じでしたし。

    で、言うまでも無く見事な“不細工面”を爆発させているのが、西村・筧のご両人(笑)。これに主演の堤真一を加えた3人が学生時代からのポン友という設定でして、唯一の妻帯者である西村雅彦宅に何かといっては寄り集まり、ぐちゃぐちゃと戯れる訳ですね。
    しかし、この3人が寄り集まってる図ってのは、とてもじゃありませんが月9の画面じゃございませんな。ここに生瀬勝久や渡辺いっけいでも放り込んだら、30代舞台ファンが泣いて喜びそうですが。
    それにしてもお三方、ばらばらに出ていたり他のキャストが混ざったりしている時はそうでも無いのに、3人中心のシーンとなると微妙にヘン。
    どうしても舞台人としての血が騒ぐんでしょうか、いかにも「小技掛けてやろう、ちょっといいトコ見せてやろう」という色気欲気がふんぷんで。で、この3人の(“テレビ”というあくまで汎的なメディアの面上での、本来有り得ざるべき)せめぎあいは、結果としてかなり異様な緊張感を醸し出しております。そう、例えて言うならば、好きなヒトには堪らないが、慣れていないヒトにはちょっと辛い・・・という、ブルーチーズのようなシーンになっちゃってる訳ですな。
    当然、松嶋菜々子が体現するような月9的要素からは、かなり大きく浮いております。ま、(特に筧さんは)その“月9的要素”を引っ掻き回すのが起用の主眼な訳ですから、いくら浮いても演出意図としてはどうっちゅうことは無いんでしょうが。しかし、ワタシ個人としては、折角の筧利夫を“かき回し役”だけで消費して欲しくない、と思う気持ちも膨らみつつある昨今。そりゃ確かに、あの強烈な存在感は便利でしょうけども、その利用価値を狂言回しに限定するのはあまりにも勿体無いと思うんだけどなぁ。筧さんの素っ頓狂な部分は、柿崎(前クール『愛をください』のトンデモプロデューサー。自分自身をプリントしたネクタイ締めて吼えまくる訳の判らんテンション野郎)で充分見せていただいたことでもあるし、そろそろいわゆる“シリアス”系も見たいんですが。

    この濃ゆい3人の中に混じって、絶妙のクッション役となっているのが森口瑶子サン。
    堤真一の元恋人で、現在は西村雅彦の妻・・・という役ドコロなんですが。あぁ、森口さんといえば、当代きっての“元恋人”女優と申し上げても過言ではないでしょう。“月9”ブランドのフラグシップ『ラブジェネ』でも、“元恋人”を演じておられましたし。独特の美貌と存在感と線の細さが、「絶対過去に何かを背負ってる感」をいやがうえにもかもし出しております。えぇ、デビュー当時『必殺仕事人』でひかる一平を追い回していた面影は今や昔ですわね。
    今回は、前作『QUIZ』とは打って変わった明るく可愛い奥様役。お芝居の切り替えっぷりも実にお見事ですが、上記の“ブルーチーズ3人組”を相手に、押さず引かずの存在感がこれまた素晴らしい。このドラマ、どこを向いてもこの枠ならではの豪華キャストなんですが。あっさりしつつも周りに負けない味を求められるこの位置に、しっかり森口瑶子サンを据えてのける、というのは大した差配だと言えましょう。
    折角だから森口さんを主旋律に絡めたい、という欲をかく余りに、このキャラクターを色恋沙汰の渦中に引きずり込むのは避けて欲しいなぁ。ただでさえ濃い目担当まできっちり押さえたキャスティングなのに、この上森口瑶子を恋敵の位置に付けたら、(森口サンがこれまたこのテの役所も実にそつが無いだけに)ちょっと塩辛さが増し過ぎるような気がしますですわ。

    『救命救急24時』でもななこなでしこの後塵を拝していた須藤理彩嬢。元々の出自である、「NHK朝ドラヒロイン」という格では同等なのにねぇ。松嶋嬢とは2回目の共演となるこのドラマでも、やっぱり格下扱いでございます。しかも、初回ではかなり影の薄い感じ。
    今後、筧さんを相手に“実は魔性の女”的なキャラクターを演じることになる予定(らしい<テレビ誌情報)なんですが。これまた、ちょっと損というか巡り合わせが悪いというか。始めから“掻き回すこと”を期待されて投入された筧さんが相手、というのは、かなり苦しい戦いを余儀なくされそうな予感が致しますな。頑張れ、とココロばかりのエールを送らせて頂きますわ。

    そういえばこのドラマ、モー娘。安部や財前直見・優香などとのスキャンダルで名を売った押尾学も出ているみたいなんですが。どこ?どこ?と思ったら、やっぱりブルーチーズ3人衆に思いっきり食い潰されておりました。役どころが“西村雅彦の後輩研修医”なだけに今後もお三方とのシーンが多くなりそうで、ただひたすらその背中に南無阿弥陀仏を唱える他は無さそうでございます。ご愁傷さま・・・。

    今後最も去就が気になるのは、矢田亜希子。
    初回の前半戦では、先輩である桜子(松嶋)に呆れつつも合コンにはちゃっかり同伴する可愛い後輩、というスタンスでキャラクターを立てていたんですが。後半、欧介(堤)を金持ちと勘違いした桜子が「ゲットしたぞ」とばかりにはしゃぐ姿を見て、暗い顔つきで去って行く・・・というシーンが用意されておりましてですね。ヤタアキ、長い長い敵役のキャリアを経て、ようやく顔に似合ったキュートなスッチー役が来たか・・・と思いきや、やっぱり敵役かい、と。今後どのように松嶋なでしこと対決していくのかが気になりますが・・・、ヤタアキ、敵役は自家篭中ですからなぁ。あまりの迫力でななこなでしこを凌駕しちゃう・・・となると、展開的には大変困るだけに、この先どのような扱われ方をして行くことになるのかがちょいと注目です。

    それにしても、俳優としては月9専属状態の東幹久。ヒロインに求婚しては玉砕するしょうもないお金持ち役をやらせたら、とりあえず日本で5本の指には入るよな。どうしてあんなに“金持ってそう”なんだろう、東幹久。フツーに『ワンダフル』で司会やってる姿はとてもとても貧相なのに。こういうのって、やっぱり一種の“演技力”なんだろうか。あぁ、謎。
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明日を抱きしめて

    とりあえず、鳥羽潤クンの顔を見るたびに条件反射でココリコの遠藤を思い出してしまう人間は見る資格なし。
    このドラマが発表になった時、ワタクシ心密かに(このネタは“ドラマ滅多斬り”で使ったろ!)と思っていたんですが。残念ながら、日テレの番宣番組で、こともあろうに鳥羽クンとココリコ遠藤が並んで見せるという大技が炸裂してしまいまして。あーあ、やっぱり皆同じコト考えてたんだわね・・・がっかり。
    ついでに言えば、俳優の村井克之さん(『QUIZ』の生パパ)、ココリコ田中にソックリなんですよねぇ。誰か洒落の判るプロデューサーさんよぅ、是非とも村井−鳥羽共演をセッティングしてくれい。

    松本幸四郎に高島礼子を持ってくると言う、コレ以上は無いと思われるような見事なキャスティング。どちらも、自意識に於けるランクと実状との落差が哀れを誘う役者さんなだけに、自意識と自意識のぶつかり合いがどこまで互いを高め、それが何処まで地上から乖離して行くかを見届けるというのは、かなり面白いイベントたり得そうです。えぇ、ドラマの本筋からはかなり大きく外れますが。

    高島礼子。
    そう大した実績も無かった筈なのに、ランク品格共に自分より遥かに下る男と結婚してしまったが故に、相対的評価(シーソーの原理とも言う)で何故か“高嶺の花”扱いされるに至った女優サン。よくよく数え上げると、ホントに大した仕事してないんだよねぇ。デビュー、『暴れん坊将軍』だし。ご存知
    taka-taka.netだし(カレンダー売ってるらしいぞ。誰か恐いモノ見たさで買わないかなぁ)。
    いつの間にか大物女優然としているのが笑止千万ですが、男を見る目が無さそうな今回の役回りは、ある意味適役かも。“可愛い”犬を前にして、
    「いやーん可愛い可愛い(って犬を可愛がってるワタシも可愛いでしょ?)」
    とぶりっ子アピールしてみせる姿が、
    「アタシってクールな弁護士役なんかしょっちゅう演じててちょっと知性派っぽいし?」
    という自意識と微妙な齟齬をきたしていて、なんとも哀れを誘います。
    “口をヘの字に曲げる”という表情しか“苦悩”の表現のバリエーションを持たない女優、高島礼子。あちこちあまりにも気の毒なので、“司法浪人中”という設定のシーンでの痛々しい若作りには敢えて触れないことに致しましょう。可愛そすぎる。ん。

    松本幸四郎。
    梨園の名家、という強い自意識と、
    「そんな梨園の因習に歯向かってミュージカルにも挑戦!役者バカ一代!」
    という矜持とがごっちゃになって、凡人では計り知れない高みに勝手に上っちゃってるタイプの演劇人。
    しかし、本人が何をどう言っても、ムスメは松田聖子の大ファンだしムスコは隠し子騒動でミソつけてるしと、俗っぽさが脇からだだ漏れという気の毒さ。
    「いくら気取ってもご家族があれじゃあねぇ」
    と早朝のゴミ捨て場で近所の主婦に後ろ指さされてるとも知らず、DAKSのジャケットとアスコットタイを粋に着こなして仕事場へ出かける都会派売れっ子作家・・・って感じでしょうかね<凄く無理な喩えだなぁ。
    松本幸四郎の自意識が、(ある意味微笑ましい)「あぁ勘違い」というレベルに落ちつかないのは、彼が醸し出している
    「梨園ですので」
    という鼻持ちならない雰囲気と、「ムスメの恋人は山本なんちゃら(そういえばこのドラマで共演って話だけど・・・何処に出てた?山本なんちゃら)」「ムスコの連ドラは今井美樹の相手役クラス」という現実との乖離が、ちょっと洒落にならないくらい大きいからで。故にもって、どうしても例の「ダバダー」なCMを見ると思いっきり痛々しい気持ちになってしまうワタシ。

    そんなこんなで、双方がっぷり四つに組んでの胡散臭さがたまらない、松本幸四郎と高島礼子。組み合わせの絶妙さに、つくづく唸るばかりでございます。ナイスキャスティング。これに加藤治子を加えて、絵面的にもカンペキな濃さ。ううう・・・月曜日からもたれるなぁ・・・。

    加藤治子さん、上品な底意地の悪さが最高にタマらないお芝居。
    高島礼子夫婦と同居しているんですが、優しいようでネチネチとイジワルなお姑サン役を、相変わらずの微笑みで演じておられます。眉目秀麗かつ不幸な孫にベタベタと愛情を注ぐ仕草も、独特のいやらしさが横溢していてお見事でございましたわ。右から見ても左から見ても扱い辛い姑。どう考えても、野際陽子以上に厭だよなぁあの姑は。息子である松本幸四郎が母親に敬語使ってる・・・っていう設定も更に濃さ倍増で、いくら好きでもこんな家には嫁ぎたくない・・・と思わず腰が引けてしまいます。どうもなぁ・・・加藤治子サンのお芝居が素敵過ぎて、いたたまれなくなってチャンネル変えたくなっちゃうのよね。こうなると、お芝居が立派なのも良いんだか悪いんだか。

    で、ココリコ遠藤鳥羽潤。あぁ、芝居も悪くないしルックスも適度に甘くて適度に上品でいい感じなのに。それでも、どうしてもココリコ遠藤。
    高校生時代の山崎邦正が、目を見張るようなジャニーズ系美少年だったことは周知の事実ですが(や、ホントにホントに。嘘だと思ったら調べてみ)、ココリコ遠藤が何とか今後山崎邦正並みの貧相な変化を遂げてくれない限り、どうしたって鳥羽潤はバッタモンのココリコ遠藤。先に売れたモン勝ちの哀しい業界ですからねぇ。今更鳥羽クンの顔でうっとりは出来ないわなぁ・・・感情移入度87%ダウン(メロドラマにおいては致命傷)。

    そんな鳥羽君の周りをうろちょろする若い女性・千佳役に、酒井美紀。NHK『葵 徳川三代』では、和子姫(秀忠の娘で皇室に嫁ぎ、後に中宮となる)を好演しておられました。
    「和子姫、これしか出ないのに!シーンこれだけなのに!そんな和子姫に酒井美紀!さすがNHK!」
    とびっくりするような出演シーンの少なさだったんですが、ケチのつけようの無い可憐さと上品さで、実に印象に残る和子姫を造型しておられましてですね。正に天晴れ、という感じだったんですが。
    あぁ、そんな美紀ちゃんがどうしてこんなトコでニンに合わない安い役をやっているんだか。“本当は成城のお嬢サマ(成城って辺りが既にダメ)なんだけれど、家風に反発して家出中”という、28年くらい前の少女マンガに出てきそうなキャラクターでございます。事務所も・・・もう少し考えぇよ。

    『永遠の仔』『リミット』と、ここしばらく(あざといとは言え)テーマ性のある物語を持ってきた日テレ月曜10時枠ですが。ようやく『シンデレラは眠れない』『冷たい月』『くれなゐ』の路線に戻って来た様子でございますな。単純に、(社会派モノは)題材が続かなかった・・・というだけの話なんでしょうが。それにしても、“ヒューマン・ラブストーリー”っていう煽りはさすがにいかがなものかと頭を抱える次第でございます。ヒューマンといえば花王愛の劇場じゃないか。よりにもよってこんな時間にわざわざやらなくても・・・。

    芸術家肌の建築家と弁護士の妻、そしてその間に割りこんでくる先妻とその息子。やがて、若い後妻と生さぬ仲の息子との間に愛が芽生え・・・という、昼メロまっしぐらと言わんばかりの筋立てに合わせたのか、びっくりする程見事なメロドラマ芝居を繰り広げる三田佳子。
    この三田佳子は凄いです。女優としての土性ッ骨が違う、という感じですわ。キラキラなお洋服着て髪の毛ぶりぶり逆立てて、思いっきり大時代的な台詞回しで画面を食い荒らしておられます。
    「こんなコトしてる場合か!っていうか禊は済んだのか!謹慎も自粛も無しか!」
    という外野のヨタをぶっ飛ばすような怪演で、「有無は言わせません」というテロップを画面四方にこってりと太ゴチックで張り巡らせたいような勢い。
    うーん、こんなコテコテな役を良く引きうけたよなぁ、と思わないでも無いんですが・・・きっと、先日唐突に放映されたスペシャルドラマ・『外科医有森冴子』の主演との引き換えだったんでしょうねぇ。オカシイと思ったんだよなぁ、今更あんな優遇枠での『有森冴子』。小柳ルミ子・かとうかずこを従えての『有森冴子』。そういう裏があったのねぇ<勝手に決めつけてますが。
    三田佳子、必見。話のネタに、ぜひ1度くらいは。2〜3日不眠に悩まされても責任は持ちませんけど。
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編集王

    とりあえず。
    たけしやさんま、ダウンタウン濱田やウッチャン等、お笑いから役者に転じて実績を残している面子は少なくない訳で。なので、主演の♪はーらーだたいぞうでーす♪に関しては、期待も不安も未知数のニュートラルだったんですが。
    しかしなぁ、何せサブが弱すぎ。天下の隙間タレント中山秀征が脇を固めるとあっちゃ、固まるものも固まりませんって。トイレットペーパーでダムを固めるようなモンですわな。
    おかげさまで、芝居・脚本・演出全てペラペラ。ただし、かなり統一感の高いペラペラなだけに、これを愉しめるだけの度量があるヒト(もしくは、懐かしのテレ朝ゲッパチ枠に親しんで来た方たち)はそれなりに楽しんじゃうことが出来るかも知れません。

    『オヤジぃ』の時にもちらっと書いたし、多分『新宿暴走救急隊』でも書くと思うんですが。
    コントと演技のすき間ってのは、直線距離で行くと非常に短いんですけど。しかし、その間にはやっぱり、狭いながらも深くて暗い谷間があるんだよねぇ。
    その谷を一息で乗り越えられるか、それとも足を取られてコケるか。♪はーらーだたいぞうでーす♪、とりあえず残念ながらコケかかっております。
    技量不足をテンション上げる事だけで切り崩そうというのが見えて、1時間見続けるのが何とも苦しい訳で。おまけに、その高過ぎるテンションを演出の側が一切フォローしてあげないもんだから、頭のどこかで
    「画面の中で孤軍奮闘・♪はーらーだたいぞうでーす♪」
    というフレーズがエンドレスリピートしてしまいそうですわ。この先11回、どこでこのテンションが切れるのかとても心配。っていうか、いつ切れるのかというサスペンスを求めてついつい見つづけてしまいそうな自分が怖い。

    テンパり気味の♪はーらーだたいぞうでーす♪を軸に、業界随一の隙間家具中山秀征・新火事場泥棒女王こと、どさくさ紛れの大出世真中瞳・「ギスギス女」を演じるにはどうにも顔が可愛らし過ぎる京野ことみ・どう考えてもどこかの誰かと被ってて独自性が全く見えない川端竜太と、全面的にイッパイイッパイの若手面々。業師八嶋がどうにもキャラクターを立て難い役どころなだけに、編集部のアンサンブルがまったく見えてこないのは辛いところですな。まだ初回で、一同の呼吸が見えないというのはあるんでしょうが。それにしても、♪はーらーだたいぞうでーす♪(<いい加減飽きたな)の求心力が弱い上にサブがサブなんで、かなりバラバラな状態でございます。
    蟹江敬三と大竹しのぶ(なんとまたピンクハウスを見事に下品に着こなす事か!)だけが余裕綽々で、これがまたバランス崩してるんだよなぁ。とりあえず、大竹しのぶの出番を多くして、しばらく乗り切る他は無いような気もしますが。

    ただ、下枠の『神様のいたずら』で芝居巧者をかき集めた分、ここの枠では(時間帯的にも)本当の意味での“きっちりしたドラマ”を作るつもりは無いのかも知れません。
    何かとカメラ目線で吼える主人公・桃井環八なんぞに至っては、いきなり次回さっそくふんどし姿をご披露するに至る訳で。これはもう半ばバラエティとして楽しむのが、お茶の間方面のマナーってもんじゃないかと。
    原作漫画の濃さと熱さを知っている(そして、環八がネプチューン原田と聞いて密かに「おぉ!それはなかなか!」と期待した)方々にとっては、あまりのヌルさにかなりがっくり来る部分があったのでは無いかと思いますが。ま、漫画原作ドラマの1つの典型的方向性に則った、ユルくて甘い人情ドラマと見ておけばほぼマチガイは無いでしょう。どうせなら、漫画雑誌が出来るまでの知られざるハウツーみたいなモノも混ぜ込めば面白いけど・・・そこまでの脚本じゃないな、残念ながら。

    それにしても。宮サンが宮史郎じゃないのは納得いかないわぁ。宮さんも本占地クンも、どうせならとことんきっちりやって欲しかったのになぁ。ちゃんとお紅茶もいれてくださらなくっちゃですわよ。おほほ・・・<げ、原作知ってるのかオマエ・・・。
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神様のいたずら

    べたべたのバラード・ノリノリのラテンと来たからには、『YOU』とか『涙のキッス』みたいな、“メジャーなのに泣かせ系”のポップスだと思ったんだけどなぁ。蓋開けて見たら、いわゆる“桑田アレンジ系長渕風味”。もちろん悪くはないんですが、個人的にはポップスが良かったなぁ・・・(繰り言)。
    という訳で、デビュー20年を越えてますます意気軒昂なサザンの主題歌に乗せて、アミューズつながりの岸谷五朗と財前直見が贈るオトナの恋物語でございます。

    お、とちょっと新味を感じたのは。
    結婚相談所で岸谷五朗演じる賢三に言いたい放題言われた財前直見(役名は葉月)が、何も言い返さずにうっと涙をこらえて飛び出してしまうシーン。
    普通なら、気の強い葉月が負けじと賢三に言い返して、そこからドラマが転がり始めるんでしょうが。おっとどっこい、今回の財前さんは一味違う。気は強いながらも微妙に女性らしい柔らかさを漂わせて、コトバを呑み込んで見せる訳でして。
    ここに限らず、葉月の「言いたいことをうっと堪える」シーンはなかなかにリアルで、その辺は結構悪くない脚本と演出でございます。ここのところ、(悪気の有る無しは別にして)他人の感情お構いなしに自分を押しつけるような役所の多かった財前さんですが、いやぁ長いキャリアは伊達ではございませんな。『救急ハート治療室』と似たような基本フォーマットの上で、全くの別人を見事に造形しておられます。素晴らしい。
    気は強いし言いたい事は言うけど、場合に応じてはそれなりに我慢もする、ちょっと健気でちょっと寂しくて可愛い気のあるおねーさん・・・とくれば、このクールでは1番感情移入のし易いキャラクターかも知れません。少なくとも、『やまとなでしこ』の桜子よりは共感するなぁ(笑)。
    逆に、あまりにもティピカルでゲンナリしたのは、昨日別れたばかりの男が同じ店にいるのに気付いて、葉月がいきなり(いがみ合っていた筈の)賢三と“恋人ごっこ”を始めるシーン。うわ!やってもうた!という手垢感バリバリのシーンで、折角財前直見が珍しくかなり女性らしいしなやかさを見せているのに、ぜーんぶチャラでございます。お、惜しい。ここさえ無ければとりあえず1軍だったのに。

    あぁそれにしても財前さん、そのエラは一体どうしたことでしょうか。
    『お金がない!』『甘い結婚』の辺りでは細面のイメージがあった財前さんなのに、『お水の花道』あたりから発達し始めたエラが、今やすっかり見事にご成長なさって。どんどん四角くなって行く財前さんのお顔。その内斎藤暁さんみたいになっちゃったらどうしましょ。あぁどきどき。

    一方、年々細長くなって行く岸谷五朗の顔面。このまま行ったら何だかどこかに刺さっちゃいそうで、こちらもどきどきでございます。とても、キュートな丸いおめめの鈴木杏ちゃんの父親じゃないよなぁ。とりあえず、血のつながりはみじんも感じられません。しかし可愛いよなぁ杏ちゃん。長野の駅舎が似合うこと似合うこと(笑)。

    テレビ情報誌などを見ていると、この主演3人の芝居巧者っぷりばかりがクローズアップされる傾向にあるようですが。忘れちゃならないのが、ここのところ急速に崩壊速度を上げている阿部ちゃんでございます。今回は、日本2年ぶりの結婚したい外科医役。財前直見とお見合いをして、お付き合いを始める(や、今回の財前さんなら、阿部ちゃんも「ちょっといいなぁ」と思って当然。視聴者も納得)という役どころ。ヘンテコな佇まいが相変わらずステキですが、初回はさほどの出番無し。今後に期待・・・とは思うものの、ここしばらく“マトモ”→“コワレ”→“マトモ”と実にバランス良く仕事を選んでいる阿部ちゃんなので、『トリック』的な色合いを期待すると見事にスカシを食らうかも知れません。

    木村多江さん、どうしてこう「すでに亡くなっています」な役が多いんでしょうか。出てくるドラマ出てくるドラマ、片っ端から回想シーンばかりという印象があるんですけど。ここはひとつ、“回想の女王”とでもお呼びしましょうかしら。
    そして、最近見ないなぁと思っていた古川理科嬢。こんなところで不遇をかこっておられるとは・・・賢三が勤務する結婚相談所の社員で、ザマス眼鏡をご着用の上賢三をイビる、という役どころでございます。あぁ、昔日の“期待度女優”の座は何処に・・・っていうか、渡辺由紀もそうですが、ワタシがちょっと目をつける新進女優サンって軒並み凋落していくなぁ。もしかしてワタシがいけないのかしら・・・?

    板谷由夏ちゃん、モデル上がりとは思えない見事にこなれた芝居ですな。台詞回しがとても自然なんで、ドラマに安定度が増しております。しかし、確実なだけに引きが少なく、どこかで大ブレイクしない限りはずーっとこの位置かも。財前ねーさんを食うのはムズカシイにしても、もう一息頑張って頂きたいような気も致します。
    北村一輝、前クール『リミット』での極悪台湾人役があまりにも見事だったせいで、まともな社会人というキャラクターがどう見ても不自然!その内ニヤリと笑って鈴木杏ちゃんを誘拐してしまうんじゃないかと、とても心配になってしまいますわ。気をつけろ!杏ちゃん!内臓盗まれるぞ!

    渋目のキャスティングで綴るおとなの恋ですが、うーん・・・このままだと今1つ爆発力に欠ける気も。というか、これから冬場に向かって、いかに連続して視聴者を捕らえていくか・・・と言う部分が少々弱いような気もいたします。ただ、これって逆手を取れば、
    「途中から見てもなんとなく大丈夫」
    という間口の広さにもなる訳で。緊張感は乏しいものの、てれてれ見るにはまぁ悪くないドラマかも知れません。岸谷五朗のいい加減なダメ男っぷり以外には、癇に障るようなキャラクターも居ないし。杏ちゃん可愛いし<やっぱりそれかい。


涙をふいて

    おかえり!あんちゃん!愛はそこにあるのかい?
    という訳で、帰ってきた『ひとつ屋根の下』。テーマは堂々の“家族愛”。今時この3文字を大上段に掲げてドラマを作ってしまおうという制作側の意気込みには、ある種の感動すら覚える訳ですが。あぁしかし、それでもやっぱりどうしたもんかと思わず途方に暮れてしまうワタシ。苦手なんだよなぁこういうベタベタのドラマ。あれだけ話題になった『ひと屋根』だってほとんど見なかったし。うーん。

    どこからどう見ても“柏木あんちゃん”以外のナニモノでも無い、という熱血バカ・大西勝男。流石に江口洋介も、“昔取った杵柄”とばかりに手馴れた感じで演じておりますが。
    しかしなぁ、あんまり同じ様なコトばっかりしててもマズいんじゃないの?江口サン。一応『モナリザの微笑』でワンクッション置いたつもりなんでしょうけど、“あんちゃん”の印象が強過ぎるだけに、隅から隅まで「ま、またか・・・」な感じ。“毎度おなじみ”過ぎて、どことなく暑苦しさを感じてしまいます。実際問題として、(彼の出世作『東京ラブストーリー』にも見られるとおり)江口洋介ってむしろ、都会的なキャラクターの方が引き立つ部分があると思うんだけどなぁ。

    「(アイツは)バカですッ!相手にするな!」
    と勝男に一刀両断される職場の後輩役にトータス松本。悪く言えば新鮮味の無い、良く言えば実にこなれた演技で、浮き上がること無く合格点。そういえば連ドラ初出演でしたっけ、ソツ無さ過ぎてあんまり感慨ありませんけど。
    しかし、トータスがここまで無難に出来るんだったら、(繰り言になりますが)PHSのCM通りに、男2人のベンチャーサクセス物語でも良かったんじゃないかとついつい思ってしまいますわね。
    それにしても、一人減ってから随分精彩無いなぁウルフルズ。小説家になる!と叫んで抜けていったジョンBチョッパー氏は今いずこ・・・。

    真鍋かをりってさ、あれはいいのか?OKなのか?学歴とスタイルの併せワザで何とかここまで来ましたが、ルックスははっきり言って平々凡々だよねぇ。内田有紀と並べると、流石に格段の差がございます。ここで稀有な演技力でも見せ付けることが出来ればともかく、いわゆる“にぎやかし”系の役どころ故に見せ場も無さそうで・・・初ドラマ、共演者とのバランスやなんかも踏まえて、もう少し考えてから受けた方が良かったのでは?

    で、内田有紀。演技力が付いた・・・とは言い難いものの、つかこうへいに師事した結果、いくばくかの自信らしきモノは身についたご様子で。以前に比べて、かなり堂々たる芝居をしているように見うけられます。
    結婚1年17日で出戻って来た、良くも悪くも真っ直ぐな娘役。“ウチダユキ”的にはかなりの挑戦なんでしょうが、あまり気負わずやって頂きたいものです。何せ、あっちもこっちも気負い気味のキャラクターばかりなんで、有紀ちゃんまで肩に力が入ると息苦しくなりそうで・・・。
    しかし、いかりや長介からこの娘が生まれるかなぁ・・・あ、母親がいしだあゆみだからいいのか。納得。

    そのいしだあゆみさん。どこで吹っ切れたんだか知りませんが、『お見合い結婚』での好演をしっかり引き継いでの肝っ玉母さん役。顔に似合わず口の悪い美人妻ってことで、いかりや長介演じる棟梁の夫とのコンビもなかなか。今回もかき回してくれそうです。

    いかりや長介サンは・・・相変わらず。以上(笑)。ま、“誰か”になりきるという演技力よりは、長サンご本人が長い芸能生活で蓄積し熟成してきた味わいで勝負するタイプの役者サンですからね。暴走気味のあんちゃん勝男をしみじみと宥めるシーンなんざ、正に得たりという感覚でございました。

    で、勝男に引き取られる渕上4兄弟なんですが。
    まずは長男の二宮和也。
    ジャニーズJrドラマ出演の王道に則った、「クールで世を拗ねた17歳」。
    しかし、如何せん声質が高くて甘いが故に、台詞を喋り始めてしまうと、表情ほどにはクールでシャープな感じが見えてこないのが多少の恨みですな。
    長女の桃を演じるのは、上戸彩嬢。第7回全日本国民的美少女コンテストで審査員賞を受賞したのがデビューのきっかけ、とのことですが・・・どうもビジュアルにインパクトが薄いような。や、お芝居はまずまずですので今後に期待。
    ジャニジュニ辰巳雄大は、11歳の次男役でご出演。うーん・・・とりあえず、二宮クンよりは明かに巧い(笑)。
    そして!あぁ!末っ子良太役の神木隆之介クン!
    『QUIZ』では、狂言誘拐を企てるおっかない小学生を怪演していたオコチャマですが、あぁ!今回は親御さんも安心の、健気で可愛らしい小学生。おねしょしてお母さんに逢いたいと泣き喚くその姿の、あざとい程の可愛らしさに、思わずクラクラですわ。『QUIZ』の時に生え変わり時期を迎えたとかで、今回はオトナの前歯で登場の隆之介クンですが・・・あぁ、歯並びが大変なことに(笑)。でも、そのガタガタ前歯もまた可愛らしくてよござんす。
    しかしなぁ、ちょっと聞いてみたい気がするな。あの年齢の子って、“芝居をする”という事に関してどういう意識を持っているんだろう。あまりにも堂に入った泣きっぷりに、
    「将来どうなっちゃうんだろう・・・」
    と一瞬不安を覚えてしまいましたが。

    初回は、渕上家の4兄弟が焼け出されて、江口洋介演じる大工・大西勝男に引き取られるまで・・・と思いきや奥さん、このテのドラマにしては何だか妙に展開が早くて、ちょっとびっくりですわ。本来、出来る限り目一杯引っ張るべき“奇跡的に助かったけれど容態は予断を許さない状況なおかあさん”が、どういう訳か初回から順調に回復しちゃうし。んでもって、“引き離されそうになる4兄弟が涙の団結を誓う”シーンもちゃっかり初回に組み込まれてるし。
    予告で見る限り、来週早くもお母さんが意識を回復する模様で・・・大丈夫なんでしょうか、初手からこんなにテンコ盛りにしちゃって。こうなると、残り10回どうやって引き伸ばして行くことになるやら、とても心配なんですけど。ま、いざとなったら『ひと屋根』のエピソード焼き直して使い回せばいいんでしょうが・・・しかし、3人持ち回りの脚本では、野島伸司みたいなあざとくも引きの強いストーリー展開は望めないだろうしなぁ。
    ま、とりあえずワタクシはパス。

    しかしナニだなぁ、口から鼻から管まみれになってただ横たわっているだけなのに、妙に綺麗だなぁ岡田奈々。全然老けてないし。
    ここの所、制作のエラいさんたちの
    「我が青春のアイドルよもう1度」
    ブームに乗って、昔の美人アイドルがちょろちょろと復活する傾向があるようですが。中でも群を抜いた“あの頃の美貌衰えず”だなぁ、奈々サン。林寛子とはエラい違いだ。うん。


ストレートニュース

    オープニングがglobeってのは大丈夫なのか。
    エンディングがhitomiってのは大丈夫なのか。
    これだけ大量のレギュラーを投入してしまって大丈夫なのか。
    しかも、軒並みやけに濃い(テレビ的とは言い難い)メンバーばっかりで大丈夫なのか。
    『隣人は秘かに笑う』のモックンとルックスが見事にカブっている三上博史は大丈夫なのか。
    そんな三上博史と見分けのつかない竹中直人は大丈夫なのか。
    原田知世がニュースキャスターでしかもメインの一翼ってのは大丈夫なのか。
    こともあろうにあの舌足らず米倉涼子をキャスター役に据えるという大冒険は大丈夫なのか。
    古尾谷雅人はこんな隙間役ばっかりで大丈夫なのか。
    そして、浅野ゆう子をこんなに特別扱いして大丈夫なのか

    不安材料ばかりがテンコ盛りのこのドラマ。
    大量に揃えたレギュラーが皆、比較的地力のどっしりしたキャラクターばかりですんでね、とりあえずギリギリの所を何とか持ちこたえてる感はあります。しかしこの“持ちこたえ”も、枚数の多いトランプのピラミッドにも似て、いつガラガラと崩れてもおかしくない危うさが。
    一応は、隅に行けば行く程腰の粘りが強くなるような絶妙な人集めをしておりますんで、
    「こんなところでモロ師岡!こんな場所に高杉亘!吹越満がこんな使われ方!黒澤優ちゃんがこれっぽっち!」
    と、売れ残りセールの筈の福袋に何故かプラダのキーホルダーやらコーチのパスケースやらがごちゃごちゃ入っていたようなお得感はあるんですが。しかしこれ、当然のコトながら、裏を返せば「あぁ勿体無い」な訳で。
    どう考えても見せ場の作りようが無いキャラクターに至るまで、きっちりと豪華なキャスティングを揃えてきたのは確かにご立派ですが。しかしなぁ、それでヒロインが原田知世なんだから、ちょっと釈然としないというか納得いかないというか。

    ストーリーは、コソボから6年ぶりに帰ってきた報道マン・矢島俊介(三上博史)が、低迷するニュース番組『ストレートニュース』を改革していく、というのが大筋でして。で、その改革の手始めに首を切られたのが、メインキャスター白石紀子(原田知世)。この二人の確執を軸に、報道マン達のニンゲン模様を活写する・・・というのがメインなんですけどね。
    しかし、人海戦術を取っている割にはテンポが遅く、カット割りが冗長なせいかメリハリも無い。折角“ニュース番組の裏側”という緊迫感のあるテーマで、しかも(しつこいようですが)隅々までしっかり味を出せるキャスティングを揃えたと言うのに、これでは器に中身が全く付いて行っていない状態ですな。
    おまけに、矢島の家族模様まで無理して折り込んだりするものだから(これは、若年層キャラクターをキャスティングに含める為の苦肉の策と見たね。テレビの報道局が中心舞台だと、どうしたって画面がくすむもんなぁ)、視点が微妙にズレるしストーリーには統一感出ないし・・・ばっさり言えば、こういうシーンは時間の無駄。あぁ勿体無い。

    報道裏話系テレビドラマといえば、『ニュースなあいつ』『ニュースの女』『ニュースキャスター霞涼子』など、ここ数年でも何本か製作されているんですが。
    また出てきたよ、「30歳を越えて踏ん張りどころの女性アンカーと追い落としを狙う若手女子アナの対立」ネタ。
    ここまで何度も何度も何度も同じシチュエーションを見せつけられると、『報道局内でドラマ化出来るネタ』って実は案外限られているのかなぁ、と思わざるを得ませんな。

    で。
    『ニュースの女』では、追い落とされるのが鈴木保奈美・追い落とすのが藤原紀香だった訳ですが。今回、“追い落とす側”の若い女子アナを演じるのが米倉涼子。あぁ、紀香の後ろ後ろを走る米倉・・・しかし、フジワラほどの爆発力やケツマクリ根性は無いからな、彼女には。確かに綺麗は綺麗ですが、
    「少ない出番の一瞬で耳目を一気に集める」
    程の勢いは無いだけに、相変わらず便利な使われ方よねぇ・・・という感じがどうしてもしてしまいます。

    追い落とされる原田知世。相変わらず下手(笑)。
    でも、大根ぶりでは似たり寄ったりの浅野ゆう子とのシーンでは、なかなかバランスが取れててヨロシイかと。しかし、30前後で安住の地を追われてぐずぐず不貞腐れる・・・ってのは、もちっと身体のラインがシャープならば文句無く和久井映見サンの役どころなんですけどね。おほほ。最近の和久井サン、ニュースキャスターを演じるにはちょっとばかりふくよかでらっしゃるからねぇ。

    一見傲慢(で偽悪的)な役どころとなると、三上博史、目もらんらんと輝きアドレナリンもぶりぶり駆け巡ってしまう訳で。しかも、今回は竹中直人や塩見三省など、組み甲斐のある相手との芝居も多い・・・と、いかにも気合入っている風情なのがビンビン伝わって参ります。惜しむらくは、彼の気合に反して演出に全然キレが無いこと。劇伴音楽もウルサイし、繋ぎもダラダラしてて・・・あぁ、これで演出が○○○(<とりあえず敢えて伏字)だったらどんなにエッジの効いたドラマになったことか・・・。

    勿体無いのは三上博史だけにあらず。
    初回1シーンだけだった吹越満とか、多分このまま人数合わせで終わってしまうだろう高杉亘とか、ただの困り顔要員になってしまいそうな森本レオとか、ナニを思ってこの役を受けたんだか判らない“ギスギス女(この呼称、『編集王』京野ことみよりよっぽどぴたりと嵌まる)”大塚寧々とか、んもうとにかく“勿体無い”の嵐。
    放映前は、
    「これだけのキャストと素材を見事に料理したら、『踊る大捜査線』並みのオモシロドラマになる!」
    という期待感があっただけに、かなりガッカリですわ。
    伴一彦の脚本はさほど悪くないんですけどね・・・やっぱり、演出が・・・うぅ、恨めしい。

    それにしても。
    浅野ゆう子のあの優遇されっぷりは一体何なんでしょう。
    普通に考えれば、それなりに重要なポジションではあるものの、スタンスとしては充分“脇役”な役どころなんですが。何故かいかにも大御所っぽく“特別出演”扱い。しかも、キャラクター上の年齢が35歳なんですのよ奥さん、35歳!つまりは、32歳の役の原田知世や大塚寧々より3つしか上じゃなくて、40歳役の三上博史より5歳も年下!
    ぬけぬけと水野美紀の母親を演じる黒木瞳にもびっくりですが、浅野ゆう子の35歳にもびっくりですわ。凄いなぁ・・・そうまでして若くありたいか、浅野ゆう子・・・執念。