スタアの恋
今期最大期待値のこのドラマ。
期待しすぎるあまりに、
「実はさっぱり面白くなかったどうしよう、折角のキャスティングがオール無駄遣いだったらどうしよう」
と心配で心配で、ついには一週間ほど前から己に向かって
「期待し過ぎちゃいかん、期待するな期待するな」
と言い聞かせていたほどでございまして。アホか、ワタシ。
で、とりあえず手短な結論。
「つまらなくはない。」
以上。
「テンポが抜群!脚本秀逸!死ぬほど面白い!」
という訳では決してありませんが、ワタシが夜も眠れないほど(<おい)心配していた程にはつまらなくもありません。
もちろん、欲を言えばキリが無いですからねぇ。これだけの脇役を揃えてこんな美味しい舞台設定を用意したんですから、
「もっとテンポ良く!」
「もっとハム組や事務所組の脇役陣を活かして!」
「もっとシャープなカメラワークを!」
等々、いくらでも“更に上”を狙う事は可能だとは思います。ただ、まずは主役二人の位置取りを視聴者にきちんと説明しなければならない・・・という初回にしては、そつなくまとめて来たんじゃないかという気はいたします。大変残念なことに、「涙が出るほど次週が楽しみ」という感じは全く受けませんでしたが、それでも“我慢できないほど悪くは無い”というレベルに踏みとどまった処は、(期待の過大な大きさを考えると)ひとまず評価すべきでしょう。とりあえず、
「3バカオヤヂトリオをもうちょっと観たい」
というモチベーションだけで全11話を完走する事は、充分可能と見ました。
女は光り輝くスタア、男は平凡なサラリーマン。
住む世界の違う者同士の恋物語の体裁をとりつつ、恋することの残酷さと素晴らしさを描く、ちょっとおかしなロマンティックラブコメディー。
脚本は、『やまなで』でおなじみの中園ミホさんでございます。
「『やまなで』の2番煎じじゃん!っていうかまんま『ノッティングヒルの恋人』じゃん!」
という野暮なツッコミはこの際無し。だって、『ノッティングヒルの恋人』以前に、少女漫画にはいくらでもありますからね、こういう“手の届かないスターとの恋”という題材は。
とにかく徹底して“おとぎ話”に徹している処がポイント。普通、こういう身分差恋愛話をやるにあたっては、立場的に強い方が性格もヒネくれていて、ビンボーサイドの登場人物がそんなヒネくれ者の心を溶かしていく・・・というのが王道なんですけども(『こんな恋のはなし』『やまとなでしこ』)。スタアである桐島ヒカル子(紀香嬢)を、ズレトボけているものの決して悪いコという訳じゃない、という設定にすることで、“おとぎ話”としての非現実性がさらに増した格好となりました。この辺りの逆捻りの入れ方は、中園ミホも伊達に『やまなで』当てた訳では無い・・・という感じですかね。
スタアとサラリーマンとの差を示す描写がクド過ぎて、脇役(特に期待の3バカ)の書き込みが浅くなったのは勿体無い処ですが。まぁ、ぎりぎりまで別の仕事をしていた役者陣のエンジンが暖まって現場に馴染んでくれば、おのずとキャラも立って来る事になるでしょう。
それにしても、クサナギツヨシのファンはつくづく幸せですな。作品にも恵まれている上に、その恵まれた環境を着実に血肉にしてるもんなぁ、彼。
つよぽんの場合、ルックスも派手とは言い難いしゲイノージンオーラを振りまいている訳でもないんですが。その一方で、超人気アイドルグループで何年も活躍している実績故か、ただ地味なだけでは収まらない強さがあるんですね。だから、今回のような
「地味な主役」
を演じても、全く違和感が無いんですわ。
本当に地味だったりフツーだったりする俳優の場合、例えばオムニバス形式のミニドラマならともかく、11回連続のテレビドラマを中心に立って支え切るのはまず無理。演技力云々の話ではなく、その立場の重さを受けきれるかどうか、という点で、いわゆる“フツー”であったり“地味”であったりする役者さんの場合はどうやってもパワー不足になるんですね。で、うっかり“主演”としての自覚を持って頑張っちゃったりすると、今度は本来の“地味”という色味が消えてしまったりする訳。
ところがつよぽんの場合、ルックスは地味でも人気アイドル。騒がれ慣れ、注目され慣れ、年に一度は何万人もの熱狂を直に受け止めて歌ったり踊ったりしているんですよね。だから彼の場合、“ドラマの中心点”という重さも、割合平常心でしっかり支えちゃうことが可能なんですわ。
「地味なのにドラマを持ちこたえさせることが出来る」
という、本来なら非常にアンビバレントな筈の能力を持つクサナギツヨシ。おまけに、ここ数年表現力も着々と付けて来ているし(携帯電話で振られるシーンの顔面筋肉制御っぷりはお見事!)。うーん、ある意味当分磐石だろうなぁ、クサナギツヨシ。
今回も、豪華なパーティでのいたたまれない風情を実に見事に表現しながらも、社内のシーンでは(あれだけ訳の判らん共演者に取り囲まれて)決して霞んだり圧されたりしていない辺り、実に立派でございます。不安無し。
不安無しといえば、紀香嬢も不安無し。だって、演技力要らない役なんだもん(笑)。
ご本人の輝くオーラ一本で勝負のスタア女優役。ダイナマイツボディを美しいドレスに包んで、笑ったりちょっと寂しそうな顔をしたりすればそれでオールオッケーな役どころ。えぇ、
「ちょっと綺麗な普通のOL」
なんかよりよっぽどニンに合ってます。また、その女優っぷりも、驕慢系ではなく浮世離れ系なので、ヘタに作りこまずに済む分更にハマり度アップですわ。 やれ大根だ芝居以前の問題だと何かと評判の芳しくない“女優・藤原紀香”ですが。にもかかわらずまだまだニーズは落ちないというご本人の華が、今回は良い方に転がりそうな予感が致します。ま、芝居は3バカ(<しつこい)に任せて、ひたすら美しく在って頂ければ。・・・そういえばこのドラマでの紀香嬢、いつも以上にきらきらと美しく丁寧に撮って貰っておりますな。スタア役なので当然といえば当然なんですが、本当にお綺麗。いいわぁ、“ザ・御伽噺”。
出番がやけに少なかった3バカ(<だからしつこいって)の扱いについては、不満は数限りなくあるんですが。とりあえず前述の通り、今後の(役者さんご本人達の)コナれ具合に期待しましょうかね。中園氏にしても、どうせいずれは暴発する、というのを読んだ上での薄い書きっぷりだったのかも知れませんし。ほら、筧さんには『やまなで』で痛い目見てますからね彼女(笑)。
あえて注文をつけるならば。
出来れば、サンマルコハムのシーンは、あまりアップを多用しないで頂きたいかなぁ、と。アップでのカット割りだと、アドリブ台詞を細かく拾い切れないという懸念が。演出の鈴木雅之氏には、どうせなら俯瞰カメラでざっくり撮って役者を放し飼いして見るくらいの度量を期待したい処です。ハイ。
宇梶剛士だの戸田恵子だの伊原剛志だの小木茂光サマだの森本レオサマだの、金持ち組の脇役もこれまた妙に豪華。特に、宇梶−戸田のツーショットは、『HERO』の阿部−八嶋ラインを思い出させる狂ったパースペクティヴで笑わせてくれます。但しこの辺も、初回の今夜はやはり、時間的な制限から来る書き込み不足が痛かったですな。皆さん、本人の地を髣髴とさせる下品さで見事に不快感を煽って見せた安西ひろこ程にはキャラが立ち切っていないのが恨めしい処。これまた今後に期待というところですが、公式ホームページ(→http://www.fujitv.co.jp/jp/star/)のキャスト表には名前の無い伊原・森本両氏、今後の扱いや如何に。使い捨てにするにはあまりにも豪華な布陣ですから、まさか初回のみのゲストってことは無いでしょうが。
あぁ、しかしそれにしても、剛とレオさまのツーショットは何というか実にホノボノするというか癒されるというか。この二人がのんびりぼんやり語り合っているシーンが続いたら、そのままぐっすり眠ってしまいそうな自分が怖いですわ。
今回の拾いモノ。
サンマルコハム最大の心配要件だった長谷川京子ですが。あら、いいじゃない!全然悪くないじゃない!ぽっと出のデルモ女かと思ってたら、ちゃんと芝居してるじゃない!
顔も可愛いし、台詞も安定してるし、3バカの足を引っ張るどころか、きっちり組み合わせに乗って来ております。セクハラ大王古田新太にも立派に張り合ってるし、アップがパリパリ切り替わるシーンでも、勝村ー筧ー古田ーハセキョンという流れ、全然バランス崩れておりません。おぉ!立派!立派だぞハセキョン!
長谷川京子、密かに草介(つよぽん)に惹かれている女性社員役なんですけどもね。うーん、この調子でちゃんと芝居が出来るのなら、つぼみちゃんのキャラクター膨らませても大丈夫かも。彼女のおかげで、サンマルコハム社内のシーンが一層楽しみになって参りましたわ。
っていうか、最大の問題は主題歌なんだよなー。
今更globeにカバー曲熱唱されてもなー。
クリスマスのハッピーエンドに向けて、
山田恵子の声じゃ盛り上がらないんだよなー。
ぶちぶちぶちぶち。
恋を何年休んでますか
初っ端から、いかにも説明バリバリな会話の連続で萎え萎え。
脚本家はテロップもナレーションも使わずに上手くコナしたつもりなんでしょうが、10分近くも状況説明台詞を聞かされ続けたら、視聴意欲はそこで大幅に減退してしまうんですわねぇ。せめてファーストシーンは、もうちょっと引きの強い会話やシチュエーションを持ってきた方が良かったんじゃないかと。とにかく説明台詞が多い事多い事、いくら初回だからと言ってそこまで台詞で説明しなくても・・・何だか、電化製品の初期設定説明書でも読まされているような感じの第一回目でございました。
かつて燃えるような恋愛をした相手と再び巡り合い、忘れかけていた胸の炎がくすぶる人妻。その夫は若い女と不倫中で、人妻の友人達もそれぞれに夫婦間の問題を抱えている・・・筋立てだけ書けば、昔懐かしい『金曜日の妻たちへ』系の不倫恋愛モノですわね。微妙にお洒落な舞台設定、現実よりちょっとだけ良い住宅環境(そう言えば昔『金妻』のコトを、“住宅展示場ドラマ”と呼んだ方がおいででしたな。実に言いえて妙)。キャスティングをちょっと捻って、どこか昔のトレンディドラマの香り付けをしているのがミソといえばミソなんですが。
どことなく『Age 35 恋しくて』も思い起こさせるのは何故なんだろう・・・と悩んでいたら、そうか、主題歌が小柳ゆきなんだ。あのベタベタした歌謡曲声って、シャ乱Qの世界に相通じるモノがあるからなぁ。
主演、小泉今日子。
辛い、辛いかもキョンキョン。何だか顔の周りがむわっとむくれちゃってるし、お肌も(以前から問題視されていたように)かなり厳しい状態だし。
初回の今夜は、「友人の結婚パーティで久しぶりに夫婦で夜の外出」というシーンがあったんですが。精一杯お洒落した筈のコイズミさん、これが辛いこと辛いこと。道を行く後姿もキツければ、元同僚役の森尾由美と並んだショットもこれまたキツくてですね。なまじ往時のきらめきを知っているだけに、溜息の深さもひとしおと申しましょうか何と申しましょうか。あぁ、昔のキョンキョンは何やっても可愛かったよなぁ・・・。
現在コイズミさんかなり長めのワンレングスで、このため、ちょっと髪型をいじるとなると、どうやっても全面的にデコ出しモードになるんですよ。これがもう、びっくりするほど似合わないんだなぁ。せめて前髪があれば、せめてサイドの髪で輪郭を隠せれば・・・と、親戚の娘の出で立ちを歯噛みしながら眺めるオバチャン状態になって、冴えないキョンキョンを哀しい思いで見つめる私。森尾由美に、
「すっかり落ち着いちゃったわね」
と言われるシーンなんて、どう考えても視聴者の殆どが
「すっかりオバサンになっちゃったわね」
と読み替えて聞いていたのに間違いありません。何が哀しいって、コイズミさんのオバサン化がそっくり自分のオバサン化と同調しているということで・・・あぁしくしく。
そんな「コイズミダメモード」を残酷なまでに強調するのが、
「お手入れしてまっす!」
といった感じの黒木瞳サマ。肌もつやつやしてるし身体のラインも綺麗だし、もちろん顎だって弛んでないし(ちなみにコイズミさんは立派な二重顎)。
世間知らずで、恋を知らずにお見合い結婚してしまった美しい人妻。娘がお見合いをドタキャンしてしまったせいで、若い男性と二人きりで食事をする羽目に・・・というのが初回の筋立て。確かに、とても22歳の娘が居る年齢には見えません。いかにも騙されやすそうな伊藤英明(サラリーマンカットがめっちゃ似合わない)がクラクラしちゃうのも当然かと。
しかし黒木瞳、なんだか妙に息を漏らし過ぎ。なんかすかすかすかすか口から息が漏れてるんで、いかにも世間知らずの御嬢おば様って感じはよく出てるんですが。それにしても、どうも今一歩台詞が聞きづらいような気が致します。
離婚が全く響いていないように見える飯島直子。どうでもいいんですが、あの『白麒麟』のCMソング、ここ数日頭をグルグルしちゃって出て行かないんですけど。
かつて追っかけていた役者の卵と結婚したはいいが、その卵もいまや腐りかけ。家庭の財布を預かり続けて幾星霜、気づけばすっかりオヤヂになってしまっている美容師、という役どころ。その夫を演じるのが山口祐一郎氏なんですが、これがもう実に立派なおじおばさんで・・・仕事の憂さを居酒屋で発散して酔っ払って帰宅した妻を玄関先正座攻撃で出迎えたと思えば、
「いつまで待っても帰ってこない妻を待つ身のことも考えてよ、せめて電話ぐらい入れて頂戴」
とぐちぐちぐちぐちぐち三昧。妻が
「あらタンシチュー美味しそう」
といえば、こんな時間に食べると太るよ、などといいつつかいがいしく暖め始めたりして。で、一方の飯島サンは、グチを聞くのが面倒なもんで新聞なんかめくっちゃったりして・・・あまりにもティピカルといえばティピカルなんですが、この逆転夫婦っぷりはコントとしてはかなり面白い部類に入るのでは。
有子(コイズミ)が家事の最中に流すBGMがユーミンだったり、そんな有子にかつての恋人(BOOM宮沢:相変わらず独特の雰囲気があるいい男っぷりを発揮中)が贈った本が寺山修二だったり・・・バブルに微妙なタイミングで乗り遅れたワタシにとっては、個人的にあちこちむず痒い感じがする小道具の数々なんでございますが。これ、それこそ正に、かつて“トレンディドラマ”に熱狂した視聴層にとってはツボ突かれまくりなんでしょうねぇ。
このドラマってある意味、「あの頃の夢をもう一度」とばかりに似たような軽佻浮薄な恋物語を濫造したゲツク枠より、エッセンスとしてはずっと正当な“トレンディドラマ”の後継者なのかも知れません。自分の現実よりほんの少し上、少しだけ手の届かない夢のような恋。
問題は、かつて浅野ゆう子に見た夢を、小泉今日子がそのまま背負えるかどうか・・・という点と、有子(コイズミ)の夫である仲村トオルと咲子(黒木瞳)の娘である理沙(亜矢田亜希子)の不倫がドロドロしちゃわないかどうか、という点。
不倫ネタがドロドロすると、確かに話の展開は引き伸ばすことが簡単ですが。この場合、夫の不倫はあくまでも、
「妻が昔の男に心揺れても仕方が無い」
という言い訳として機能する程度にしておかないと、ヘンにシビアになって“夢”性が失われちゃいますからね。
正直、ターゲットはもの凄く狭そうな感じがします。上は黒木瞳世代から、下はせいぜい30代になりたての女性、ってとこでしょうかね。男性は最初から問題外、って感じもしますし。
ただし、ハマる人はしっかりどっぷりハマるタイプのドラマなんじゃないでしょうか。とりあえず、女性は一度確認のために見ておいて、ダメだったらそのままハイサヨウナラ・・・という処し方が最適なんじゃないかと。ちなみにワタシはダメ。コイズミさん見れば見るほど寂しくなるし、そんなコイズミさんを放って若くて美しいヤタアキと不倫しそうな仲村トオルに石投げたくなるので。えぇ、初回で脱落。・・・あ、山口祐一郎のオヤヂオバサンっぷりにはちょっと未練が残るかな。だれかそこだけ編集して送ってくれませんかー<おい。
こちら第三社会部
そもそも、月曜日のこんな時間にフツーのドラマを見る視聴層ってのがさっぱり読めないんですが。時代劇ならともかく、日テレが水曜日にやりそうな現代劇を、こともあろうに金曜9時を潰して断行する意図がちっとも判らない訳で。時代劇ファンを敵に回してまでの勝算は、一体どこにあるんだか。
しかも、とりあえず舞台設定もキャスティングも見事に“会社系”のドラマなのに、何故かタイトルテロップが丸文字。若年層にもアピールすべくやわらかいロゴにしたんでしょうが、いきなり出鼻を挫かれるあのロゴには滅入りますわ。
リニューアル初回という気合もあるんでしょうが、キャスティングはなかなかに手堅く纏めて参りました。渡辺謙を主軸に据え、麻生祐未や萩原聖人・戸田恵子という“芝居そこそこ”の中堅どころで脇を固めて、酒井美紀ちゃんや坂口憲二などの若手にホンジャマカ石塚というお笑い要員も組み合わせての布陣でございます。第三社会部の対極に位置するエリート集団・第一社会部には、京本政樹や細川茂樹を配置するという磐石っぷり。
しかし、多分大方が予想したとおり、キャスティングで力を入れすぎた結果なのか何なのか、脚本や演出にあれこれ穴が見えまくっております。
ナレーションの中に、“です・ます体”と“だ・ある体”を混在させるのはどうでしょうか。「とりあえず使っとけ」と言わんばかりの安っぽいCGはどうでしょうか。渡辺謙に延々説教台詞を語らさせた挙句に、「私新聞記者になって良かった〜」と酒井美紀に泣かせるベタベタな脚本は一体どうなんでしょうか。
出だしから反骨精神を匂わせながらも、萩原聖人や戸田恵子がその辺をダラダラ引き摺らずにあっさり協力体制に入る辺りは、それなりに新味もあって面白かったんですが。しかし、肝心のメインプロットが手垢まみれの上にリアリティに乏しく、さっぱり魅力的ではございません。
初回の今夜は、繁華街で浄化運動ボランティアをしていたグループのリーダーの死にまつわる秘密を、渡辺謙演じる清水治郎が解き明かしていく・・・という筋立てだったんですが。何の科学的捜査もせずに血痕一つで自殺が判るなら、普通は警察がその事実を先に知る事になるのでは・・・等という突っ込みは、既に2時間もののサスペンスドラマで言い尽くされているので言わないにしても、展開がどうにもお手盛り。ステレオタイプのエピソードの継ぎ接ぎで、まともに見ていると頭痛がしそうな底の浅さでございます。
雰囲気としては、“多少金かけた『京都迷宮案内』+多少人員整理した『ストレートニュース』+多少世代を若くした『はぐれ刑事純情派』”を3で割った感じでしょうかね。エピソードの陳腐さと人員の豪華さと説教臭が、何ともいえない独特のバランスの上で成り立っている雰囲気。で、それを底辺で支えるのが津川雅彦って訳ですか。そういえば最近妙に稼いでるよなぁ津川雅彦。事業が巧く行ってないのか?
時間延長が無い上に、このテの“仕事モノ”は一話に必ずワンエピソードが必要ですから、どうしても人物描写は後回しになってしまった初回。人数が多いせいもあってどうしてもコンパクトに・・・とは行かない訳で、結局坂口憲二やら酒井美紀ちゃんやらのキャラ設定は中途半端な書き込みに終始してしまいましたな。萩原聖人なんざ、今回はほとんど出番無し。来週のエピソードも美紀チャンメインらしいので、ハギーの出番はいつになることやら。
渡辺謙さんの座長芝居にしたいのは判るんですが、周囲キャラの書き込みが杜撰だとドラマ全体が緩んじゃいますんでねぇ。出来る限り早急に、各キャラクターの(表面だけでない)きちんとした骨組みを準備する必要があるのでは。このままだと、TBSのドラマというよりは、テレビ朝日系列(それも、どちらかといえば朝日放送系)っぽい香りが芬々と漂ってきそうでございます。時間帯的にも既にその予兆はありますので(民放での8時台の現代劇はこれとテレ朝『科捜研の女』のみ)、“ドラマのTBS”の威信にかけても、ぜひ頑張って頂きたいものでございます。私は見守りませんが。
で、噂のモー娘。ですけども。
うーんとうーんと、加護の大根っぷりは一体どうなんでしょうか。正直歌唱力にはかなり見るものがある彼女ですが、台詞回しはまだまだ改善の余地があるようで。かおりんは意外とソツ無くこなしてましたが、巧拙が判別するほどの出番ではございませんなぁ。モーヲタの皆さんは、これを全編録画するのも無駄でしょうから、ぜひ何とか時間までにご帰宅なさってシーンを拾いつつ録画していくのが吉かと(もしくはHDD録画で必要なトコだけ取って置くとかね)。
とにかく、安っぽいセット・筋立てと放送時間帯が致命的。確かにキャスティングには魅力が無い訳ではありませんが、ビデオ録ってまで観るほどのもんじゃありませんのでね、私は初回で脱落。うーん、謙さんと祐未サンがお気の毒だわ・・・。
最後の家族
この新世紀に村上龍とテレビ朝日が渾身で贈る家族の物語。とはいえ、既に我々は辻仁成の“渾身の愛の物語”を散々楽しんで(?)おります故、今更作家が原作だけでなく脚本まで書いたからと言って、
「まーたダイセンセイサマが勘違いかい?」
以外の感想は持てよう筈もございません。局が期待するような、
「おお!あの有名な作家が書いているのだからきっと素晴らしい作品に違いない!」
等というアサッテの感慨など抱く訳が無く。
で、その企画に揃えたキャスティングが、樋口可南子・赤井英和・吉沢悠・松浦亜弥・照英・岡田浩暉・尾美としのり・古尾谷雅人・井上晴美などなど。若年層向けにハロプロ一押しの急上昇アイドル・あややを担ぎ出した割には、なぜか井上晴美も紛れ込んでいるという実に微妙なラインナップでして。勝算があるのか単なる村上龍の好みなんだか、居間一歩判然としないキャスト一覧でございます。
初っ端から、吉沢悠クン荒れる荒れる。身の程知らずにも赤井英和に蹴りかかった時には、
「何しとんねんチャンプ!どついたれや!」
と思わず叫んだワタシですが。今回の赤井氏は撲られてもやり返さない父親、という役どころらしく、黙って撲られるまま。これがもう違和感バリバリですわ。
そもそも赤井英和、肉体派というだけでここまで何とか曲がりなりにも役者を名乗ってきた御仁でらっしゃいますからね。そんな彼から筋肉のほとばしりを奪って、台詞回しだけで勝負させようとする方が無茶ってもんでございます。
色々と悩みを抱えた中年男性という役どころで、確かにあのデカい図体を縮こまらせている処はそれなりに哀感も漂わないではないんですが・・・ひとたび口を開くと、そこに白木屋(赤井氏が頓狂なCMを展開している学生御用達居酒屋チェーン)が現出してしまうという痛々しさでございます。ホントに何年経っても巧くならないよなぁ赤井英和、あの頑固っぷりと進歩の無さは、ある種尊敬に値するかも。
それにしても、樋口可南子ってどうしてこう薄幸そうに見えるんだろうなぁ。ほぼ日見てる限りではさほど不幸そうには思えないんですけど。
ただでさえ赤井英和が赤井英和なだけに、ドラマの良心として“芝居”を一手に引き受け物語の展開を支えなくてはならない気の毒なお立場なんですが。可南子サマに降りかかる重圧はそれだけではございません。
「家の中で閉塞していた主婦昭子が安らぎを覚える相手」として登場する若い大工・延江清を演じるのが、筋肉ダルマ照英クン。どこか突き抜けたモノを感じさせる能天気な笑顔と隆々とした筋肉は、確かに「大工」っぽい感じなんですが、やはり台詞回しは素人同然。可南子サマとの二人のシーンでも、ひたすら可南子さんがリードせざるを得ない状況で、とにかくこのドラマと来たら、最初から最後まで芝居的にはひたすら樋口頼りの状態なんでございますよ。
あぁ、その重圧が余分に可南子サマの眉間の皺を増やし、薄幸度をアップさせいるのかしら。お気の毒に・・・おうちに帰ったら、糸井サンにちゃーんと足など揉んで貰ってちょうだいね。
モー娘。所属事務所のUFA(アップフロントエージェンシー)が現在一押ししている松浦亜弥嬢。「はっしゃいじゃーってよいのかぁなっ♪」という歌声で登場した期待の新星でございますが、お芝居の方はまぁ発展途上と申しましょうか何と申しましょうか。歌唱ほどには「そつなく」とは行かないようでございます。
ま、目も当てられない程のヘタクソという訳ではないし、そもそも勘は良さそうなコなので、もしかするとこのドラマ後半でくくっと伸びる可能性も。とにかく、いちいち台詞の度に顎を上げ下げするクセを早く直しましょうねぇ。
初回をビデオで見て何がフシギだったかって、どうしてあの親達は
「誰がこの家に住まわせてやってると思ってるんだ!」
と一言も言わないのか、って点。ワタシなんざ、ちょっとでも親に生意気な口をきけば、
「誰が食わしてやってると思ってるんだ!今すぐ路頭に迷ってもいいのか!」
とすぐに経済力を持ち出して抑え込まれたもんですが。怖かったよなー、“路頭に迷う”って単語。学校にも通えず食うものも食えず雨露もしのげない生活・・・想像しただけでコンサバなワタシは震え上がったものでした。
あぁ、しかし今の時代は、うかつにそういう事を言うと(特に女の子は)かなりヤバい“経済的自立”を果たしちゃうんだっけ。最近のガキは、道端で野宿するのも平気みたいだしなぁ。当時は援助交際なんちうモンはありませんでしたからね・・・性と経済の交換が即座に「売春」という犯罪で括られていた懐かしい時代は、もう帰ってこないんでしょうか(遠い目)。
いかん、ストーリーからどんどん乖離してるな。
仕事人間であるが故に、不況による会社の不振が心身ともにこたえている秀吉(赤井英和)、大学を中退して引きこもりの長男秀樹(吉沢悠)、どこか醒めているイマドキの女子高生知美(松浦亜弥)、そんな家族に囲まれて惑う主婦昭子(樋口可南子)。
さすがに村上龍、『だいじょうぶマイフレンド』の二の轍を踏む程アホでは無かったようで。台詞としては確かにコナれておらず、説明的な台詞も多いし“困った時のモノローグ”も使っているんですが。それでも、それなりにリアルなポイントもいくつか。
“不況のサラリーマン・昼食代の基準は300円”というのはあまりにもあざと過ぎてどうかと思うんですが。居間のコンピュータを使おうとする夫に、妻が
「パソコンで書類作るなら手伝うわよ」
と声をかけるシーンは、ちょっとリアルだったかなぁ。どうかすると、外回りばかりしている営業マンよりは家の中に居る主婦の方がパソコンには親しんでいるのが現状だったりしますしね(それってウチの話か?)。
それと、赤井英和が勤める倒れそうな会社の常務(石橋蓮司)が、“一点突破”だの“粉骨砕身”だのという四文字熟語を駆使して、営業部員達に何の役にも立たない漠然とした説教をブつシーン。ワタシの上司にもいましたわ、とりあえず四文字熟語を使って文中の漢字含有率を高めてはいるもののさっぱり中身の無い演説を、やたらとやりたがるオッサン。
「あぁ!そうそう!懐かしいぞああいう上司!」
と、思わずノスタルジーに浸ってしまいました。懐古(<またストーリーから乖離してまっせ)。
今後は、尾美としのりと井上晴美のドメスティックバイオレンス(男女の位置関係が逆だったらさらに現在的だったんだが)等も絡めつつ、“家族”についての村上龍的考察が繰り広げられる模様。映像の質感がどことなくフィルムっぽく、小田切正明の演出も実に手堅いため、このテのシリアスな家族モノが苦手じゃない方は、それなりに見続けることが可能かと。古市東子の主題歌も、決してドラマを邪魔していないのがいい感じ。
しかしとにかく、英和・照英のダブル大根“英”が痛々しいので、ワタシは視聴パス。そもそも木曜日は『どっちの料理ショー』『スタアの恋』で忙しいし。ハイ。
そういえば、公式サイトにいってみたら、スタッフとして幻冬舎の見城徹/石原正康の名前が。この名前、熱血ポンちゃんシリーズでしばしば見かけたような気がするんですが・・・(イシハラって元ばななの彼氏じゃなかったっけ?)二人とも偉くなったんだなー・・・しみじみ。
嫉妬の香り
2000年4月の枠開設以来、時間帯を活かした挑戦的なドラマ作りで独特の世界を築いてきた、朝日金曜夜ドラマ。『YASHA』『トリック』『愛人の掟』『愛は正義』『OLヴィジュアル系』『生きるための情熱としての殺人』と、毎回毎回チャレンジングというか傾向がバラバラというか・・・。ただ、イメージが固定していない分かなり自由度は高いようで、いずれもどことなく闊達な空気のあるドラマとなっておりました。外れも多いんですが、『トリック』『生きるための・・・』などは結構“当たり”だったような気がいたします。ド深夜という訳ではないので、キャスティング的にも“旬ちょっと手前”くらいの、他所のゴールデン/プライムタイムならば2〜3番手だが才能はありそうな若手を抜擢するのに好都合で、伊藤英明や仲間由紀恵など、この枠の主演をステップアップの一段階として巧く使ったタレントもそれなりに居たりして。
両輪として機能していた土曜同時刻枠にも、『OLビジュアル系(ファーストシーズン。好評だったため続編が金曜同時刻枠で放映された)』『早乙女タイフーン』『ココだけの話』などの佳作があったものの、土曜枠はリニューアルでこの秋ドラマから撤退。ある意味、“チャレンジドラマ”の最後の砦となった格好のこの枠が、どこまで善戦出来るか・・・というのは、ドラマファンにとっては密かに見逃せないポイントかも知れません。
あぁ、それなのにそれなのに。どことなく漂うこの“お昼のメロドラマ”ちっくな匂いはナニ?“香り”と呼ぶより“匂い”と呼びたくなるような臭気が芬々としているのはナゼ?
とにかく、劇伴音楽がまずもって酷い。仮にも“音楽家”が企画してるんじゃないのかい?BGMはやけに大仰だし、一方で、主題歌は雰囲気に合わない妙に明るいタッチの曲調だし。
オープニングタイトルの最後に、
「本上まなみと川原亜矢子の衣装対決にも注目!」
なんて赤字のテロップを流すこのセンスもいかん。更に言えば、公式サイトの企画ならともかく、本編放送後にいきなり視聴者クイズ→小道具をプレゼントという流れもいかーん!ドラマの最後にプレゼントしていいのは主題歌のCDかせいぜい原作本だけだー!・・・ぜいぜい。
本上まなみ・川原亜矢子のダブルヒロインに寺脇康文・堺雅人という組み合わせで綴る、大人の愛の物語・・・と、本編側は気合十分なのが透けて見えるんですが。局側のバックアップ態勢があまりにお粗末で、どうにも泣かせます。『OLビジュアル系』と同じ番宣のやり方を貫くなー!
何でも香りで解決しようとする女、ミノリ(本上まなみ)。かばんの中にいくつアロマオイルを放り込んで歩いているんだか。おまけに、彼氏と同行してるのに別のオトコに己の匂いを嗅がせるだなんて、ちょっと非常識なんじゃないのー?
かつて束縛し過ぎてオトコに逃げられた経験から、現在同棲中のテツシ(堺雅人)との結婚を躊躇っている女性・・・という設定なんですが。顔つきで嫌がっている割には英二(寺脇康文)にまんまとしなだれかかってたりして、何だか感じが悪い女性です。あんな無防備ちゃん、川原亜矢子でなくても苛々して虐めたくなりますわ。いかにも“男性が描く理想の女性−タイプA”という感じがして、共感しづらいヒロインでございます。
本上まなみちゃん、お芝居は着々と巧くなっているんですが。なんかさぁ、顔膨らんでないか?指先もウエスト近辺も肩も相変わらずほっそりとしていて華奢で可憐なんですが、何故か顔だけが膨張しているような・・・こころなしかエラもイってる気がするんですけどねぇ。川原亜矢子サンも、全身シャープこれ極まりない感じなのに、顔面は決してにコケた感じでは無いなので、二人並ぶと何というか“ほっぺちゃーん!”という雰囲気が致します。
一方の早季(川原亜矢子)はといえば、美人でフランス語も堪能で仕事も出来てセクシーで・・・と一見完璧な女ながら、高校時代に振られたコトをいまだに根に持つ情念の強い粘着質女性。夫・英二がミノリと接近するのに耐え切れず、ミノリの恋人テツシを誘惑する、というキャラクター。またこれが、その社会的な完璧さも含めて、“男性が描く理想の女性−タイプB”って感じなんですよね。ほら、
「清純な女性に癒されたいけど、セクシーなお姉さまに向こうから誘惑されたい」
みたいなオヤヂの欲望が透けて見えて、どうにも苛々が募ります(単に辻仁成が嫌いなだけ、とも言うが)。折角ムード溢れる2女優をダブルヒロインに起用したにもかかわらず、この時間帯でゆっくりドラマを見る筈のOL層がどちらの女性にもさっぱり感情移入出来ない、というのは、かなり苦しい予感がするなぁ・・・。
しかし川原サン、よく高校時代の回想シーンなんてのを引き受けたわねー。あまりのコスプレっぷりに、くらくらと眩暈が。1回だけならともかく、初回の1時間のうちに2度も回想シーンを入れるなんて、ちょっとしたイジメに近いものが・・・ま、可愛かったけどさ(<?)。
本上まなみの相手役・テツシを演じるのは、近年鋭意売り出し中の堺雅人氏。ドラマ中盤から心を病んでいくことになるという難役でございます。
早稲田劇研系の劇団・東京オレンジの看板役者さんですな。ワタシは朝ドラを見る習慣が皆無なので(あの『ちゅらさん』ですら見なかったし)『オードリー』にご出演時の堺氏がどういう感じだったのかは存じ上げないんですが。テレ朝秋のスペシャルドラマ『反乱のボヤージュ』でもかなりの大役(年齢的に問題が無かったとは言わないが)、NHK時代劇『五弁の椿』にも出演と、急激にテレビでの露出が増えております。「どこかで見覚えが・・・」と思ったあなた、この方以前『海ごはん山ごはん』のレギュラーやってました。ハイ。あのひょろろーんとした彼が、堺雅人氏です。
しかし、川原亜矢子とのラブシーンはすごかったなぁ。思いっきり見下ろしてるんだもん川原サン。堺サンって細くてひょろっとしてるから、どことなく長身なイメージがあるんですが。別に背が高い訳ではないのよね・・・(事務所のプロフィールでは172センチとの事)。
恋愛事項で心を壊してもおかしくなさそうな繊細な風貌は、ドラマの雰囲気にぴっちりマッチしております。どうかすると、このテツシに一番感情移入して
「ガンバレー!」
と応援してしまいそうな自分が哀しい・・・。
抜群のスケベ中年っぷりを発揮している寺脇さんといい、黒髪のほうが断然いい感じのオダギリ・ジョーくんといい、密かに男性陣も豊作気味のこのドラマ(くわまんは除く)。ドロドロのラブストーリーをやるには、ビジュアル面では申し分ないんですが。やっぱりどうしても、辻仁成の物語をそのままドラマに持ってくるのは相当難しいんじゃないか、と・・・。どうだろうなー、昔のジェットコースタードラマ系ドロドロ愛憎劇に持ってったら、川原嬢の凄みあるルックスからいってもちょっと大化けしそうだけど・・・下手に綺麗綺麗に纏めようとしたら、かなりの苦戦を強いられそうな予感が。LVモエヘンシーなんちゃらかんちゃら(多すぎて訳が判らん。とにかくあちこち買収したんだよねヴィトン)も、何故よりによってこのドラマに全面協力をしたんだろうなぁ・・・いくらあちこち小道具豪華にしても、肝心の舞台立てが『OLヴィジュアル系』と同列じゃ、厳しすぎるっすよ・・・いや、『OLヴィジュアル系』はあれはあれでよかったと思うけどさ。うん。
個人的には、辻仁成が苦手なので多分脱落・・・といいつつ、堺雅人の壊れっぷりが気になって、6〜7回目あたりからついつい見てしまいそうな自分がちょっと悔しい今日この頃でございます。ああ、辻にだけは稼がせたくないのに・・・(<一体どんな怨みがあるというのだ?)
ガッコの先生
かいつまんでご説明しますとね。
ええと、小松江里子という脚本家と伊藤一尋というプロデューサーはご夫婦でございまして。
二人が出会ったのは『東京エレベーターガール』(宮沢りえと赤井英和が不倫する話だな。あぁ、あの頃のりえちゃんはふっくらと可憐であった・・・)というドラマですが、その後コンビで手がけたのが以下のドラマ。
『いつも心に太陽を』(西田敏行・観月ありさ)
『セカンドチャンス』(田中美佐子・赤井英和・堂本剛)
『若葉のころ』(堂本剛・堂本光一))
『友達の恋人』(桜井幸子・瀬戸朝香)
『青の時代』(堂本剛・上川隆也)
『ママチャリ刑事』(浅野ゆう子・田中美佐子)
『to Heart−恋して死にたい−』(堂本剛・深田恭子)
『Summer Snow』(堂本剛・広末涼子)
・・・どうです、この堂本剛率の高さ(但し、伊藤・小松両氏共に個別の仕事もしており、そちらはいずれも堂本剛の出演無し)。
一方、堂本剛側からデータを拾うとですね。
『セカンドチャンス』以降のレギュラー出演連続ドラマは以下の通り。
『金田一少年の事件簿』(日本テレビ・土曜9時枠/スペシャル、続編などあり)
『若葉のころ』
『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ・土曜9時枠)
『青の時代』
『君といた未来のために』(日本テレビ・土曜9時枠)
『to Heart−恋して死にたい−』
『Summer Snow』
『向井荒太の動物日記 愛犬ロシナンテの災難』(日本テレビ・土曜9時枠)
という訳で、“日テレ土9”と“TBS金9”の完全なローテーション。見事なまでにこの2つコッキリでございますな。
大体堂本剛、この夫婦ががっちり囲い込んでいるおかげで、ジャニーズのアイドルとしては大変珍しいことに、フジの連続ドラマ出演経験がございません。あまりにタイトな伊藤夫妻の堂本ガードに、どつよ(ジャニーズには“くさなぎつよし”“どうもとこういち”などが居る関係上、“どうもとつよし”は便宜上どつよと呼称されます)ファンですら、
「小松サンの書くキャラクターはもう満腹」
とゲンナリ気味のコメントを発する始末でございまして。
そういった訳で、先般TBSが金曜9時のドラマ枠を撤廃してバラエティに変更すると発表した際には、
「どつよの金9終了!」
とひそかにファン一同が胸を撫で下ろしたんですが。どっこい伊藤夫妻、ここまでどつよにパラサイトし続けてきた意地と根性は伊達ではございませんで。何と、枠を名門東芝日曜劇場に移しての大復活。しかも、堂本剛の役どころが『Summer Snow』ばりの熱血お説教若オヤヂキャラと来ては、ファンならずともゲンナリといった処でございます(さっぱりかいつまんで無いような気もするが、事前説明終了)。
ただでさえベタベタな主軸(P−脚本−主演ライン)に加え、対面に据えられたのが竹内結子チャン。『あすか』以降は、『Friends』(TOKIO山口)『白い影』(SMAP中居)『ムコ殿』(TOKIO長瀬)と、『スタイル!』以外全てジャニーズとの共演という御仁でございます。これまた新味の無さにゲンナリするような配置でして、おかげで初手からすっかりやる気の無いワタクシ。なまじどつよも結子チャンも嫌いじゃないだけに、先週辺りから日曜日が来るのが辛くって辛くって。で、かなりヘコたれながらの初回視聴となった今夜なんですが。あぁ、やっぱり背中が痒い痒い。
ファーストシーンが、大阪から深夜バスで上京する途上、正面に富士山を臨んで
「日本一のクラスを作るんや!」
と気合を入れる新任教師の図・・・と来ては、正直サブイボぼりぼり引っかくのに忙しくて、ドラマ視聴どころの騒ぎではございませんでしたさ。おまけに、妊婦を前に平気で優先席を占領する女子高生を怒鳴り飛ばすの図、に至っては、悶絶もいいところでございます。しかも、更にベタなことに、この車内で何も知らない竹内結子チャンと邂逅し、
「暑苦しい男ねぇ」
と悪印象を持たれてしまうと言う・・・思わず、
「それはギャグか!お約束ギャグのつもりか!まさか真面目にやってるつもりじゃあるまいな!」
と画面に向かってクッション投げてしまいましたが。どつよ、もうちょっと別の人とお仕事しようよ、ね・・・。
初回は、桜木仙太郎(どつよ)を中心とした人間関係の説明に併せて、“友情と金”についてのワンエピソード。スペシャル扱いの時間延長を、がちゃがちゃと勢いだけでコナして見せましたが。色々詰め込んだ割に、無駄な部分が妙に多かったような印象が残ったのは何故なんでしょう。うーむ。
主軸を担う仙太郎・素子(結子チャン)・マザコンあっくん(田中直樹)の3人だけでなく、あっくんの母親(鷲尾真知子サン怪演)に素子の父親(いかりや長介)に、その父親と折り合いの悪い素子の姉(櫻井淳子)と、大人サイドだけでも人間関係は結構こちゃこちゃ複雑。なのに、どうも今日の1時間9分がやけにスカスカと感じられた気がします。うーん、小学校の教育問題って非常にデリケートなだけに、出来る範囲で深入りせずにキリのいい所で抜いて見せた脚本はまぁ合格点でしょうけれど、合間に挟まる“不必要”な部分が妙に浮き上がりすぎていて、そのせいでどうにもこうにも粗いイメージが残ってしまいましたわ。会話のテンポ(特に、どつよ−結子・どつよ−いかりや・どつよ−田中の絡み)は決して悪くないだけに、シーンシーンでテンションの落差が大きくてどうにもちぐはぐな感が否めません。
“教育”に関して掘り下げようとするとどうしても『金八』と被りますし、下手に踏み込むと泥沼に嵌まるテーマでもあるだけに、この辺の匙加減は大変難しいとは思います。小学生ったって綺麗綺麗の生活ではないし(下手に知識が薄い分、小学生のイジメって結構性質が悪いですからね)、かといってあまりドロドロにし過ぎても、日曜9時という時間帯や“東芝日曜劇場”という枠のイメージが崩れますもんねぇ。教員室内での先生同士のイジメ問題も含めてどこまで描写すべきなのかは悩ましい処ですし、
「これでほぼ多勢が納得」
という、いわゆる「正解に近い値」ははっきりいって全く無いといっていいでしょう。きっとご不満の向きも少なくはないでしょうが、個人的にはこの程度の薄さが丁度良い様な気がします。あんまり深入りすると、剛は剛でもクサナギツヨシの『TEAM』になっちゃうしなぁ。
ジャニーズのグループアイドルにおいては、大抵誰か1人が無残に膨張するというイヤなジンクスがあるんですが。まさかこのジンクス、コンビにも適用されるとは思わなかったぜ・・・という昨今の堂本剛。ま、『愛犬ロシナンテ』の頃に比べると大分マシって話もありますが、それにしてもお顔がまん丸。ただ、顔立ち的にはどっちかといえば愛嬌系なんで、丸くてもそれなりに可愛く見えてしまうというのが面白い処なんですが。
相変わらず堅調で揺らぎの無い芝居っぷりですが、『Summer Snow』と大被りするキャラクターがなんともお気の毒。だからさー、似たような役ばっかり振るんじゃないわよー。そろそろ全然違うキャラクターも持ってきて見なさいよー。ぶちぶち。
で、同じくマンマルチャン系の竹内結子ちゃんは、その丸顔をさらに際立たせるモンチッチカット。これまた大変可愛らしく、その上今回は、下手な健気さをあまり表に出さない現実的で酒乱の女の子役と来れば、久々に個人的なツボをヒットでございます。ああいう可愛いコがモロに“健気〜”なキャラクターを演じるのは好きじゃないんですわ。『タイタニック』の吹き替えですっかりミソつけちゃった結子ちゃんですが、元々豊かな表情(“ルル”のCMの顔面は凄いね)が売りの女優さんなんですから、あれ一本で
「演技力が無い」
と断じてしまうのは早計という感じがいたします。今回は、少なくとも出だしはそう悪くありません。えぇ。
ココリコ田中もそれなりに健闘中。「小学校からずーっと学習院」という割には語尾に関西訛りが出てしまう処がちょい減点かな、とは思うものの、年下の仙太郎に即座に上に立たれてしまうどうにも情けないマザコンちゃんを、半ば地?と思わせるきょときょとぶりで演じております。この辺りの位置取り(かなりセンターに絡む3〜4番手)というのは、かつてナイナイ矢部がゲットしようとして『天気予報の恋人』で見事に玉砕したポジションなんですが、無理に上を狙わなければ田中直樹、当分このセンで持っていけそうです。後は、数あるココリコとしてのレギュラーとの兼ね合いをどうつけるかですが・・・ま、『黄金伝説』辺りはとりあえず遠藤にまかせとけば大丈夫でしょうし。
いやしかし、DT濱田といい雨上がり宮迫といいココリコ田中といい、芝居の出来るお笑いは、大抵相方がもにょもにょ・・・ですなぁ。
良くも悪くも“東芝日曜劇場”的な明るめの画作りで、どつよファンや結子チャンを憎からず思っている幅広い世代のオバチャン達も皆安心という展開。抑えにいかりやサンを持ってくる辺りもそれなりにツボを心得てます。そういえばいかりやサン、結子ちゃんとは『白い影』繋がり。これも東芝日曜劇場でしたな。 いちいち細かい所で齟齬を見出しては
「かッ、かッ、痒いッ!」
と突っ込みを入れて、ゴロゴロとのた打ち回らずには済まないシニカル派の視聴者はまず以て無理でしょうが。日曜の夕食後、のんびり流し見する程度なら何とか行けるんじゃないでしょうか(私は典型的シニカル派だから無理)。内容のスカスカっぷりを考えると大ブレイクはまず無理でしょうが、世代をまたいでの許容エリアから一歩も出ない構成は、大きく沈む心配も無いでしょう。
ただ、このテの“学園モノ”はテーマを一話完結にするのが基本形(じゃないと、折角劇団から集めてきた子役がメインを取れなくなる)ので、突っ込みが甘くなるのはともかく、テーマがネタ切れになるのがちょっと心配かも。来週のテーマ、いきなりちょっと生々しそうだしなぁ・・・。
個人的には、いかりやサンの中華料理屋(素子はこの家の娘で、そこに仙太郎が下宿する・・・という、これまた「何年前の話だ?」とド突っ込みしたくなる設定なんですが。しかし、生徒とラーメン食いながら悩みを語り合うっていう舞台設定はこの先それなりに機能しそうです)で働く荒川良々に注目。何をやりだすか判らない雰囲気が芬々と漂う、いわゆる“舞台系”の役者さん(所属は大人計画)ですが。初回の今夜は、食べ終わりのラーメンどんぶりにタバコの吸殻が入っているのを発見したいかりや長さんが、
「(そんな客はもう来ないように)塩撒いとけ!」
というのに応えて、どつよ・結子ちゃんが芝居をしている背後で見事なピッチングフォームを披露しておられました。誰も見てないっつの。
今回のメイン生徒の親に伊藤俊人サン(目つきの悪いヒトね)を持ってきたり、とにかく結婚したくて仙太郎に触手を延ばす同僚教師に新谷真弓を持ってきたりと、結構チマチマ小技を使っているキャスティング。良々もさることながら、櫻井淳子の元亭主役にもちょっと注意を振り向けておいた方が良いかも知れませんなぁ。そこまで見続ける気力があるかどうか、が問題なんですが。